2017年06月10日

サイバーセキュリティ研究開発戦略

内閣府サイバーセキュリティセンター(NISC)の作成したサイバーセキュリティ研究開発戦略(案)において、「想定できない変化に対応するための全体設計(デザイン)」の対応例として、階層化FDIRを紹介いただきました。
セキィリティの技術もどんどん発展しており、少し先になると、どのような技術が出てくるかわからないため、このようなリスク対応のデザインが必要となると考えられるようです。
内閣府サイバーセキュリティセンター(NISC)の作成したサイバーセキュリティ研究開発戦略(案)はこちらです。

posted by しらぴー at 02:47| Comment(0) | システムズエンジニアリング

2017年05月31日

階層化FDIR

HTV (H-II Transfer Vehicle)「こうのとり」の設計では、故障や運用ミスに対応するために、「階層化FDIR」というアプローチを導入した。このアプローチ自体は論文として発表しているので、詳細はこちらを見ていただきたい。最近は、ISO26262など機能安全の担当者や自動運転の設計者から質問をうけるので、ここでは、簡単にその概略を説明する。
もともと人工衛星や宇宙機などの宇宙システムは、常に地上から見えているわけではないので、地球の裏側などにあって、モニターができていないときに何か故障などが発生しても大丈夫なように設計がおこなわれている。これをFDIR (Fault Detection, Isolation and Recovery)と呼ぶ。つまり、故障を検知して、他へ影響が及ばないように分離して、通常の状態に復帰するための機能である。実は、通常機能の設計以上に、このFDIRの設計には時間と労力がかかる。どのような異常を想定し、それをどのように異常と判定し、どのように分離・復帰をするのかを決めていくのは簡単ではない。また、衛星のアーキテクチャそのものに影響をするものであるので、全体へのインパクトも大きい。さらに、異常と判定するための閾値(スレショルド)の決定も容易ではない。スレショルドが「ゆるい」と、異常を検知の漏れが発生し、「きつい」と、正常なものも異常と判定してしまう。
さらに「こうのとり」では、2 Fail Safeという要求が課せられたので、より困難になった。2 Fail Safeとは、「2つの異常、2つの運用ミス、あるいは1つの異常と1つの運用ミスがあっても安全であること」という要求である。つまり、なんらかの故障が発生したあとに、さらにこのFDIR自体が故障することも想定する必要がでてきた。また、HTVは、宇宙ステーションに荷物を運ぶ補給機である。このため、この設計に問題があると、宇宙ステーションに衝突してしまう危険性がある。このため、「漏れなく」故障に対応することが重要となってくる。このような要求に対応するため、通常のFDIR設計を高度化した階層化FDIRという概念を導入した。
望ましくない状況(例えば、衝突など)に至る原因を考えるために、FTA (Fault Tree Analysis)という手法を一般的に活用する。このとき、このFTAの実施時に、「状態」、「機能」、「物理」などの階層性を明確にしておこなう。こうすると、「物理」的な故障が発生し、それにより「機能」が失われ、望ましくない「状態」が生まれるという時間的な流れを作り出すことができる。そして、このそれぞれのレベルについて、FDIRの設計を行うことで、FDRI自体を階層化することが可能となる。こうすることによって、たとえ「物理」レベルで故障想定に抜け漏れがあっても、「機能」が失われる時には、そのレベルに対応したFDIRがうごくことにより対応がとられる。あるいは、さらに「機能」が失われる状況が発生したとしても、「状態」になる時には、そのレベルに対応したFDIRがうごくことにより対応がとられる。こうすることで、たとえ想定しない故障が発生しても対応可能となり、さらにFDIRに故障が発生しても対応可能な設計とすることができる。
FDIRの設計そのものにも色々なパターンや工夫が存在するので、それを組み合わせることで確実な安全設計ができるようになる。
posted by しらぴー at 11:14| Comment(0) | 宇宙開発

2017年05月21日

メソドロジーラボ新歓コンパ

毎週土曜日の夜7時から8時半まで白坂研・五百木研の合同ゼミであるメソドロジーラボを開催しております。通常は学生が研究の発表・ディスカッションをしたり、学生がデザインしたワークショップをしたりしているわけですが、5月20日(土)は新入生歓迎コンパをしました。SDMは、他の研究室のゼミへの参加も認められているため、メソドロジーラボのゼミにも多くの他の研究室の学生が参加してくれています。今年の新歓コンパも、M2がデザインをして、M1から修了生まで多くの人が参加してくださり、大変もりあがりました。あまり多くの写真は公開できないのですが、2枚ほど紹介します。
しかし、今年のM1は、SDMでいうところの10期生にあたるのですが、とても元気がいいです!
18581817_1935324780079362_8339268487907772058_n.jpg
18557141_1526507144088068_35519400900587053_n.jpg
posted by しらぴー at 11:00| Comment(0) | 白坂研

2017年04月28日

経営のシステム化に関する研究

慶應SDMでは、これまでシステム的アプローチやシステムxデザイン思考的なアプローチが適用されていないところに、それらを適用することでよりよくする研究をやります。過去の研究テーマを見ていたところ、経営にシステム的アプローチを入れることで高度化/効率化等を実施するための研究をたくさんやっていることがわかりました。きっと、経営者や、経営を支援するレベルの学生がたくさんいることがその理由なのではないかと思います。せっかくですので、こちらでテーマの一覧をシェアしておきたいと思います。

  • 事業戦略における意思決定構造を可視化メタフレームワークの提案
  • 組織施策の目標と機能の構造化による測定項目導出方法の提案 ―中長期的成果を志向する活動の中間成果評価―
  • 持続的組織ナレッジマネジメントのための階層化知識継承・創造モデルの研究
  • コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)の導入容易性を高める設計手法
  • CSV実践のためのコンセプト設計プロセスの提案
  • 農業6次産業化の計画プロセスにおける初期行動導出方法の提案
  • Visualizing Model of Customer Sufficiency Degree in Designing Private Life Insurance Product 
  • 自動二輪車開発組織における企業改革プロジェクト立上フェーズのシステムデザイン
  • システムxデザイン思考を用いたブランディングのデザイン -ファッションブランドデザインを事例に - 


posted by しらぴー at 11:00| Comment(0) | SDM

2017年04月17日

メソドロジーラボ集中ゼミ1日目

今年もスタートしました、白坂・五百木研の集中ゼミ。
毎年やっているためにだんだん知られてきたのか、学生からの紹介参加の人数が今年はとても多いです。
(本来の目的とは違うので、来年度はちょっと考えないと・・・・)
基本的には、白坂研、五百木研の在校生と修了生、共同研究先、連携先の方々を交えて、5日間でSDMの基礎をざっと学び直します。そもそもは新M2向けに、M1で学んだ基礎をもう一度、総復習して、研究をスピードアップするのが目的です。しかし、M1にとっては、これから1年間で学ぶことの先取りとなり、スタートダッシュができます。修了生にとっては、総復習ということで、仕事や研究を通じてえた経験をもとに、もう一度、慶應SDMの考え方を学ぶことができる大変いい機会となっています。また、共同研究先、連携先の方々に慶應SDMのアプローチを理解してもらうことで、研究を一緒にすすめていくことがすごくやりやすくなります。最後に、そういった参加者間のネットワークができることでいろいろなチャンスが広がってくることも狙っています。特に、業界を超えて、多様な人が集まる機会はそれほど多くないので、とても良い機会となっています。
これに学生の紹介の方々が参加するので、ますます多様な人たちが参加しています。
今回も以下のような5日間コース。
4/16(日):ロジカルシンキングとシステム思考
4/23(日):モデリング
4/30(日):イノベーティブ思考(システムxデザイン思考)
5/7(日):システムズエンジニアリング
5/14(日):システムエンジニアリングマネジメント
これを順番に一通り学べば、SDMで教えてる基礎的なところが一通り理解でき、どのような関係性になっているのかもよくわかるかと思います。
受験希望の方には、秋にまた同様のコースを開催したいと思っておりますので、ご期待ください。
初回は、すべての基礎になるロジカルシンキング。そして、因果関係の視点からシステムを捉えて、系統的に考えるシステムシンキング。これを学びました。
posted by しらぴー at 13:00| Comment(0) | SDM

2017年04月10日

研究指導

受験を考えている学生に聞かれるのは、研究テーマと研究指導の仕方です。研究テーマについては、3/31の記事でかいたので、いいかと思います。
今日は、白坂研の研究指導の仕方について説明したいと思います。
白坂研ではゼミを大きく2つ分けております。一つは、「ベースを高めるゼミ」で、もう一つは「研究を進めるゼミ」です。
「ベースを高めるゼミ」としては、「集合ゼミ」と「集中ゼミ」があります。
「集合ゼミ」というのが、多くの人が”ゼミ”を聞いて想像するもので、研究室の学生がみんな集まるゼミです。白坂研は五百木研と合同で、毎週土曜日19時〜20時半に開催しています。学生が企画をしますが、輪読をしたり、発表をしたり、ワークショップをしたり、いろいろです。
「集中ゼミ」は、4月〜5月に日曜日を5日間終日つかってM1で学ぶコアを一通り学ぶゼミです。M2にとっては総復習、M1にとっては先取りとなります。OBや共同研究先などからも参加し、毎回80〜90名ほどの大規模なものとなります。
「研究を進めるゼミ」としては、「個別研究相談」と「アドバイスゼミ」 があります。
「個別研究相談」は、白坂と学生とか1対1で隔週で研究相談を実施するものになります。一人当たりの時間は約1時間程度です。最初は、「なにしましょう」とか「どんなことに興味あるの」といった研究のテーマ決めから始まり、最後はアンケート項目にいたるまで個別にディスカッションをしながら進めます。基本的には週末に実施します。
隔週でおこなう「個別研究相談」の間の週にやるのが「アドバイスゼミ」です。こちらは、博士課程の学生や修了生が中心となって研究の相談にのるもので、こちらも学生1人につき、30分〜1時間程度の時間が与えられます。
つまり、「研究を進めるゼミ」がほぼ毎週行われるようになります。これで研究が大きく進むことになります。
「アドバイスゼミ」は、他の学生の時間にも参加することができます。これはとても刺激的です。学生の多様な研究にふれることで刺激を受け、いろいろな研究テーマがどんどん浮かんできますし、どのようなテーマがきてもSDM的にディスカッションができるようになります。博士課程の学生にはもちろんですが、修士課程の学生にもぜひとも「アドバイスゼミ」にずっと参加してもらえればと思っています。
これからSDMを目指す方、特に白坂研を希望される方は、大変かもしれませんが、ぜひとも上のような研究指導の流れを理解し、楽しんでくれる方に来てもらえればと思っております。 
posted by しらぴー at 09:00| Comment(0) | SDM