2021年01月01日

2020年の振り返りと2021年新年のご挨拶

みなさま

新年明けましておめでとうございます。旧年中は本当にお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

旧年中は、本当に大変多くの方々にお世話になりました。そして、多くの方々との繋がりの中から、新たなことに挑戦する機会をいただくことがでいました。その結果として、年初には想像もしてなかったことを経験することができています。想像もしてなかったことが起きるということを想定するという不思議な感じではありますが、やはりそれは例年通りでした。2020年はなんといってもCOVID-19の影響がとても大きかったですね。予定していた多くのものが中止になったり、オンラインで実施しなくてはならなくなったりしました。一方で、オンラインでしかできないことをたくさん経験することもできました。オンラインの得意/不得意、オフラインの得意/不得意を体感的に理解することができました。

自分としては、昨年は大きく5つの柱が動き出した年となりました。もちろん、これら以外のも多くのことがあったのですが、5つをピックアップしてみました。

一つ目は、IPA内に設立したデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)です。DADCには、ファナック副社長の斎藤センター長を迎え、実働をはじめました。DADC関係では、立ち上げ・運用にかかわってくださっている経産省の方々、IPAの方々、そして、色々な企業からきてくださっている出向者の方々、有識者の方々、本当に多くの人たちに支えていただき、一歩ずつ進めることができはじめててきました。また、DADC関係の活動として、関連のイベントへの登壇、産業のアーキテクチャをデザインするということに関する講演等も本当に多数おこなってきました。もちろん、人材育成でも新たな取り組みをさせていただきました。実際に新産業のアーキテクチャをデザインするという活動に伴走しているのも大変いい経験となっています。想像通り、簡単ではないですが、しかしながらこういうことをやっていくことも重要です。これは今年も継続していく活動となります。今年は、昨年よりもさらに多くの方々にご支援いただきながら進めることになるかと思います。
http://sdm.sblo.jp/article/187492497.html

二つ目は、スマートシティに関する活動です。スマートシティやスーパーシティでは、住民起点で全体像を考えること、その上で、実装していくことが必要となります。その大きな方向性としてのアーキテクチャとして全体像を構想する必要があります。昨年度末、つまり今年のはじめに、SIPでスマートシティリファレンスアーキテクチャが作られました。これを活用してアーキテクチャを実装していくため、”アーキテクト”が必要となります。このため、多くの自治体や民間企業が入っているスマートシティ・インスティチュートのエグクティブアドバイザーにしていただけました。その関係で、多くのスマートシティ関係のイベントにも登壇させていただきました。今後、アーキテクトの育成、スマートシティ/スーパーシティの実装を色々なか方と実践していきたいと思います。
http://sdm.sblo.jp/article/187492491.html

三つ目は、宇宙ベンチャーSynspective社に関する活動です。2015年に内閣府ImPACTプログラムのプログラムマネジャーに選ばれ、約3年半にわたり小型SAR衛星のための技術開発をおこないました。この技術を実際に社会実装するために2018年にSynspective社を創業し、資金調達をおこない、衛星の開発を進めてきておりました。そして、2020年、実証1号機をうちあげることができました。そしてこれから、実証1号機を活用していきます。さらに実証2号機の打ち上げにむけて開発を進めていっています。今年は、データを活用したサービスの開発と、次の衛星開発を同時にすすめていくことになります。
http://sdm.sblo.jp/article/188258051.html
すでにSynspective社は100名近くまで仲間もふえており、衛星データを活用して社会に貢献すること目指してみんなでがんばっております。

四つ目としては、オンラインを活用した学びの提供です。全ての授業をオンラインでする必要がでてきたため、年明けから教員で検討と実験を重ね、4月からの授業をオンラインで提供しはじめました。その中には、プロジェクトベース学習でシステムxデザイン思考を学ぶデザインプロジェクトもはいっていました。これのオンライン化は本当に大変でした。そしてもちろんシステムズエンジニアリングの基礎をグループワークを中心に学ぶSDM序論もオンラインで実施しました。これらの知見からワークショップをオンラインで実施できるようになったことが大変大きなものとなりました。この経験から、システムxデザイン思考もシステムズエンジニアリングもグループで学ぶワークショップをすべてオンラインで実施できるようになりました。まさにNew Normalを体感したものとなりました。プレスリリースもしたNECのDX人材育成にもこのノウハウが存分に生かされています。
http://sdm.sblo.jp/article/187549380.html
http://sdm.sblo.jp/article/187644781.html

そして五つ目としては、Space Biz for SDGsの活動です。内閣府 宇宙政策委員会 基本政策部会で 石田 真康 委員と一緒に「Space Biz for SDGs」の立ち上げました。石田さんとは、オンラインで何度もやり取りさせてもらいながら、「宇宙」を活用して、社会経済課題を解決し、新たな市場創出と資本流入を促進する(つまり、ビジネスとして成立させる)ための活動です。色々な宇宙関連の企業・組織がSDGsにつながることを言ってますが、なかなか本当のビジネスに繋がっていっていないということもあり、CSRとしておこなうのではなく、実ビジネスにしていくことを目指してはじめている活動になります。賛同してくださる企業さんからシーズの提案をいただき、実際にニーズをもっている方々と議論をはじめました。今年はニーズとシーズとをつないでいき、POCから実装に向けた活動をおこなっていきたいと思っています。
http://sdm.sblo.jp/article/188272114.html

今年も上記のような昨年の活動を踏まえ、さらに想像を超えた1年となるように頑張って行きたいと思います。

最後に、白坂研の5つのコンセプトを書かせていただきます。この研究室のコンセプトに賛同してくださった多くの人たちと、さまざまか活動を行っていく予定です。
・「やらなかった」ことを後悔しないために、やれることは全部やる
あとから、「ああ、やっとけばよかった」と後悔しないためにも、「やりたいと思った」こと、「やれる」ことは全部やるということを目指します。これまでも、「“Yes” or “はい”」、「倒れるときは前のめり」といったゼミの標語がありましたが、これは要するにこういうことをさしています。例えば、大学院に通ってみる、論文を書く、なかなか思っても手が動かないかもしれませんが、それでもそれに向けて一歩踏み出すのはどうですか?

・入学前には思いもよらなかった自分に。
これも以前から言っていますが、「入る前に考えていた自分」と「出るときに感じる自分」との差を最大化することを目指して頑張ります。これは、ゴールを設定するのではなく、変化の傾きを最大化することだけを目指し、到達点は最後に見るものということをアプローチとしています。到達可能なゴールを設定するなんて、自分の能力の限界を先に決めてしまっているようで勿体無い!修了した方は、同じ思いで次のことに挑戦してみてください。

・常に「無知の知」を意識する
多様な人の集まる環境にいるからこそ実感できますが、自分がいかに限られた範囲のことしか理解できていないのかを常に意識することを目指します。他人のことを「間違えている」と思ったら、「もしかしたら、自分はその人のいうことを全ては理解できていないのではないか」と疑うことから始めることを指します。自分と違う人のいうことを100%理解することは不可能です。なので、自分がわかっていない可能性を常に考える。そんな思いをもっていつも多様な人と接する必要が重要ですよね。

・受けたものは次へ渡す
よく、ゼミの学生からお礼を言われます。もちろん、それは純粋に嬉しいです。でももっと嬉しいのは、自分が受けたものを、次の人に提供してくれることです。それがつながっていけば、一人では到底与えることができない範囲の人たちにいろいろなものを提供できるようになります。それがつながっていくことこそがエコシステムです。ぜひSDMで受けたものは、SDMの後輩、外部の人にどんどんと提供していってもらえればと思っております。

・頭を使って貪欲に学ぶ
どんなことからも学ぶことができます。せっかくなら、生きている時間全てをみなさんの成長の機会として欲しいと思っています。「それ知ってる」と思った瞬間に何も得られません。知っていることだと思って、さらにそこから深く考え、新たな何かを掴み取る。これが白坂研のとる立場だと思っています。本を読んでも、それをそのまま受け取るのではなく、頭を使って自分の考えを通じて受け取る。そうしようとすることでより多くのことを学ぶことができます。


長くなりましたが、今年も上記のような思いをもって頑張っていきたいと思っております。本年も1年間、よろしくお願いいたします。
posted by しらぴー at 01:00| Comment(0) | 白坂研

2020年05月25日

システムxデザイン思考 公開オンラインワークショップ

5/24(日)に慶應SDMメソドロジーラボ主催の公開オンラインワークショップを開催いたしました。内容としては、システムxデザイン思考を活用して、これまでにないヘルスケア製品・サービスを考えるというものでした。当初は40名程度の参加を考えていたのですが、申し込みでは約180名の申し込みをいただきました。通常の公開ワークショップでは物理的な制約のために多くは受入れらないのですが、オンラインということでサポート体制さえできれば大人数も受け入れ可能です。このため、特任教員を含めて教員12名、学生・修了生のボランティア34名の協力を得て、希望者全員を受け入れて実施しました。当日の参加は110名程度ということで、合計約150名のワークショップを実施しました。実際には17のグループに分かれて、ZoomとMiroでおこないました。(運営側はバックランドでは他のツールも活用しています)チーム数が多いため、全てのチームに発表していただくことはできませんでしたが、最後は数チームに結果をシェアしてもらいました。
オンラインということで、通常は参加できない地方の方や、ご自身でもワークショップを開催されている方も多くご参加いただきました。
通常の対面式でのこういったワークショップにも参加されたことのある方は、オンラインの良さも難しさも感じていただけたのではないかと思います。
ワークショップの最後に掲載の許可をもらったとった集合写真と、3チームのMiroのアウトプットをのせておきます。
ワークショップ終了後は、希望者だけ残っていただき、懇親会をおこないました。懇親会は、ZoomとRemoとSpatialChatを使い、自由に移動しながらの懇親会やパネルディスカッション的なものや、修了生の研究をパネル形式で発表したりいたしました。
幹事をしてくださったみなさん、本当にありがとうございました。そして、参加してくださったみなさん本当にありがとうございました。オンラインでのワークショップを通じて、その可能性や力を実感しています。今後、さらに発展をさせていきたと思っております。

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posted by しらぴー at 22:47| Comment(0) | 白坂研

2020年02月29日

過去の研究テーマ一覧

2018年度春の修士学生が修了しますので、白坂研の過去の研究テーマ一覧ををアップしてみたいと思います。
とにかく対象は多様ですが、方法論構築を目指しているという点で一致しています。
(最終的には手法やフレームワークに落とし込む場合もあります)


2018年度春修士生
【技術システム開発関連】
  • 機械学習を含むシステムのアーキテクチャに基づく安全性保証方法:自動運転車の安全アーキテクチャに適用する D-case記述法の提案
  • アーキテクチャとルールの関係性及びアーキテクチャによる規制を可視化する方法の提案
【社会システム関連】
  • 孤独感の改善を目的としたオンラインサロンの設立と有効性評価:サロン内に知り合いがいない人を対象としたオンライン飲みに着目した検証
  • 環境にやさしい花の価値を広げるワークショップ
  • Leader Identityと Work Engagementを 高める手法の提案
  • A Method to Identify Transformation Area in HR System based on Harvard Model

2017年度春修士生
【技術システム開発関連】
  • 性能向上の方向性と対抗技術比較を活用した防衛装備品の不連続な未来洞察手法の提案
  • 段階的詳細化と客観的評価指標を導入したリスク特定・分析プロセスの提案
【社会システム関連】
  • 自らのコミットメントに基づいた事業計画の設計を支援する手法の研究
  • 組織変革に向けた組織効力感を強化するための方法の提案
  • 個人的学びの経験を主体的に第三者に共有するに至る行動変容を促すプロセスの提案
  • 都市公園型フィットネスシステムの提案

2016年度春修士生
【社会システム関連】
  • 日本の同族会社における後継者育成を支援するプロセスと方法
  • 情報 3軸表現と因果関係連鎖による衛星画像利用アイデア創出支援手法
  • 企業における健康経営のための能力成熟度モデルの提案
  • 企業理念浸透のための経営管理フレームワクの提案− マズロー欲求階層と顧客価値連鎖分析を活用して−
  • 新規事業コンセプトの正当性確認・改善手法の開発
  • リーンスタートアッププロセスにおける価値提案を利用したピボット検討手法の提案
  • 企業統合における信頼性行動デザイン手法の提案

2015年度秋修士生
【技術システム開発関連】
  • Proposal of Fault Detection, Isolation and Recovery Design Process for Bus System of Microsatellite
【社会システム関連】
  • Enhancing Holistic Strategy Conceptualization for the Saudi Railway Sector – An Enterprise System Architecting Approach
  • Proposal of “Reducing Future Educational Gap by Bonding Different Types of Jobs with the K-2Education Program by Reality Tour”

2015年度春修士生
【技術システム開発関連】
  • データベース及び成熟度モデルを活用したリスク管理プロセス強化の枠組み 
  • 業務概念明確化のための参照モデル駆動型モデリングフレームワークの提案
  • 外部環境の変化を発注者が仕様に反映する仕様変更プロセス及び手法の提案
【社会システム関連】
  • 事業戦略における意思決定構造を可視化メタフレームワークの提案
  • 外国人観光案内所における来訪者の要求をふまえた提案をするためのフレームワークの開発
  • 農業6次産業化の計画プロセスにおける初期行動導出方法の提案

2014年度秋修士生
【技術システム開発関連】
  • A Traceable Tests Identification Framework for Satellite Structural Development
  • Satellite Data Handling System Design for Architectural-Layer-Driven Verification
【組織システム関連】
  • 組織施策の目標と機能の構造化による測定項目導出方法の提案 ―中長期的成果を志向する活動の中間成果評価―

2014年度春修士生
【技術システム開発関連】
  • システム安全設計の質と伝達性を向上させる表記法の提案
【社会システム関連】
  • 協働がもとめられる未知の地方公共サービスを設計するための方法論と記述法
  • コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)の導入容易性を高める設計手法
  • システムズエンジニアリングを用いた東京モーターショー2.0のデザイン
  • ソーシャルキャピタルの成熟度モデルの開発
  • 初期目標達成に向けた行動継続促進手法の提案
  • Urban Farm: Biological Business Ecosystem Design for Kaka’ako, Hawaii 
【人材育成関連】
  • タンジブル・ラーニングとアナロジー的推論を用いた制作プロセスの提案と写真制作プロセスへの適用
  • 俯瞰と構造化のための思考フレームワークの構築

2013年度秋修士生
【システム開発関連】
  • 接点数及び接触関係性に基づく機械システムの静的複雑度と動的複雑度の提案
  • D-Case Templates for Effective, Efficient, and Traceable Thermal Design Process of Microsatellites
  • A Knowledge Management Framework by Modeling Knowledge Use Case Focusing on Systems Engineering Activities
  • Risk Management Process Framework to Capture Project Contexts and Decision Making Strategies
【組織関連】
  • 自動二輪車開発組織における企業改革プロジェクト立上フェーズのシステムデザイン

2013年度春修士生
【システム開発関連】
  • ユーザによる個性演出可能な超小型車両のための電気アーキテクチャ設計手法
  • 経営者視点からの情報システム開発評価手法
  • 要求仕様書の曖昧要求に対するリスク管理手法の提案
【人材育成関連】
  • GRCSEを活用し企業内要員に合わせたシステムズエンジニアリング 知識教育講座の設計方法
【社会システム関連】
  • 宇宙外交の計画フェーズにおいて有効な機能とその実現手法の提案

2012年度秋修士生
【イノベーション創出関連】
  • 価値と主観で評価・統合するアイデア収束手法の構築
  • 構造シフト発想法のデザインと有効性の評価
【業務・組織・人材育成関連】
  • アシュアランスケースを用いた業務の品質保証方法の提案
  • 持続的組織ナレッジマネジメントのための階層化知識継承・創造モデルの研究
  • 企業における目に見えない資本の価値を測定する方法論の構築
  • 国際標準化活動における交渉分析・戦略構築フレームワークの構築
【システム開発関連】
  • 大規模災害の発生直後に利用可能な衛星通信システムの設計

2012年度春修士生
【業務・組織・人材育成関連】
  • 多様性適応力の測定尺度の開発―日本ブラインドサッカー協会が実施するワークショップを題材にして
  • 訳語に頼らない英文法(時制)学習手法の構築
  • 組織文化と事業特性を考慮した開発プロセス標準のテーラリング手法の構築
【システム開発関連】
  • 超小型衛星開発における中小企業間協調利用型コンフィギュレーションマネジメントシステム
  • システムズエンジニアリングに基づくアシュアランスケース記述方法の提案―トレーサビリティの見える化と階層性を利用した段階的品質確認の実現―
  • 情報ライフサイクル上のUXを考慮した持続可能な運用システムの構築―中小企業ウェブサイトを実例として―
posted by しらぴー at 12:37| Comment(0) | 白坂研