2015年01月17日

Korean Aerospace Universityでの講演

新年2つ目の講演は、宇宙開発分野のものでした。
Brain Korea 21という政府のイニシアチブがあり、700以上のグループがある中で唯一の宇宙関連のグループを、Korean Aerospace Universityがリードしているとのことです。こちらが主催したThe 2nd Internatioal Space Technology Workshop 2015に招待されて講演をいたしました。
韓国ソウルの金浦空港近くのホテルで半日行われました。残念ながら観光をする時間はなく、空港からホテルに入り、ホテルでワークショップに参加し、翌日の朝にホテルから空港に移動して終了ということで、韓国を満喫することはできませんでしたが、多くの韓国の研究者、学生と意見交換をすることができ、大変有意義でした。
ちょっと無理をして時間を作る必要があったのですが、やっぱり「Yes or はい」の精神で、できることは何でも受けるというのは、準備は大変ですが、結果的にはいい結果をもたらすというのはかわらないですね。
講演の内容としては、HTV(こうのとり)を開発したときの大規模複雑系の設計と品質保証・安全性設計の話と、超小型衛星開発の「ほどよし信頼性工学」の話をし、それらを比較して話しました。
どちらかというと、これまでの宇宙開発のほうがピンとくる方が多かったようですが、数名、「ほどよし信頼性工学」についても、「そのとおりだ」という積極的なコメントをしていただけました。
終わった後も、いろいろな方にお声がけいただきました。
この講演も大変楽しませていただきました。
posted by しらぴー at 12:56| Comment(0) | 講演

2015年01月11日

TEDxUTokyo2015で講演させていただきました

TEDxUTokyoでプレゼンテーションをさせていただきました。
http://tedxutokyo.com/

当日は大変楽しませていただいたのですが、せっかくですので、少し時間を追って説明したいと思います。

お話をいただいたとき、何を話そうかかなり悩みました。最近力をいれているイノベーション創出アクティビティを話すというのもありかとは思ったのですが、これまでに何名かのプレゼンターがこのテーマで話をしていましたし、なんといっても、システムズエンジニアリングに興味を持ってくれる人を集めたいという思いもずっとありましたので、システムアーキテクティングでお話をすることといたしました。
しかし、TEDxUTokyoの参加者は、大変多様な人が参加します。高校生から、人生の大先輩といえるような方までいますし、分野も哲学、社会学からスポーツ、工学、数学、物理学などなど。考えられる人はすべていると思っていいと言えるでしょう。しかも、時間は15分。つまり伝えられるメッセージは1つ。通常は60分とか90分という長さが講演としては多いのですが、その場合は、参加する人の多様性にあわせて、ポイントをいくつか用意し、参加者が興味を持ってくれるところを用意します。ですが、今回は15分でポイントが1つ。これで誰もに響くものにするためには、人生のような人間面に焦点を当てることになります。でも、意図としては、システムアーキテクティングという考え方に興味を持ってくれる人を探し出すこと。このような考え方から、システムアーキテクティングをなるべくわかりやすく伝えるという方針にしました。
年末にその方向性を決め、1月4日にリハーサルをします。リハーサルでは実際にプレゼンテーションをする時間をいただき、終了後にTEDxUTokyoの事務局をしている方々からフィードバックをいただくことをします。さすがに事務局は、これまでのTEDxUTokyoに参加したりしているため、どのような人がいるのかがよく知っており、どのあたりが伝わりにくいか、など、有益なフィードバックをたくさんいただきました。結果として、大幅に修正するという結論になるのですが。。。。
このときに、当日トップバッターでプレゼンできませんか?という打診を受けました。まずはOKを出したあとで、トップバッターのメリットを考えます。「前にすごくうまい人がいたらやりにくいから、1番はいい」とか、「早く終われば後の人のプレゼンをゆっくり聞けるからいい」などなど。

当日は、トップバッターということで、朝の受付時間に現地入りします。受付のところにいると、知り合いの顔がちらほら。Facebookでの記事を見て申し込んでくださった方が多かったようです。それに追加して、慶應SDMの学生(特に白坂研を中心に)も結構きてくれていました。協生館では、EDGEのプログラム中なので、発表はUstreamでみると言われており、知り合いもかなり見てくれていたようです。
TEDxUTokyoがはじまると、ますます緊張感が増してきます。久しぶりに強く緊張したプレゼンテーションとなりました。(年度で数えると今年度60回目以上なのに、緊張するもんですね)
プレゼン資料も、通常のプレゼンと違って、ほとんど字の書かれていないプレゼンなので、話をする内容を忘れないようにしなければいけないところが緊張感を増した理由かと思っています。
プレゼンテーションが始まってしまうと、あとはもう一瞬の出来事です。15分のプレゼン時間はあっという間に過ぎてしまい、なんとか上限時間を超えることなく終了。質問を1つだけ受けて終わりとなりました。あとから考えると、やっぱり話忘れたこともあったのですが、最低限必要なことはすべて話をしたはずです。しかし、やっぱり内容をしぼって正解でした。練習よりも話をしてしまうのはいつもと同じなんですね。
自分のプレゼン終了後は、他人のプレゼンテーションをゆっくり聞かせていただきました。いや〜、本当に面白かったです。みなさん発表の仕方もすごく工夫がしてあったり、すごくびっくりするようなことを考えていたり、実際にやっていたり、よくこれだけバラエティに富む人を集められたなぁ〜と感心しました。
いろいろな人と面白い話をいっぱいさせていただき、1日エンジョイいたしました。
事務局の方々、参加していただいた方々、そして、一緒にプレゼンさせていただいた方々にこの場でお礼をいいたいと思います。
ありがとうございました。

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posted by しらぴー at 21:29| Comment(0) | 講演

2013年02月27日

横山 禎徳氏による公開講座「社会システムをデザインする」

先日、東大EMPのディレクターをされている横山先生の公開講座を慶應SDMで開催することができました。
横山先生はマッキンゼーを退社後、記事を書いたときに出版社から肩書が必要といわれ、そのときから社会システムデザイナーを名乗られているとのことでした。東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(EMP)企画・推進責任者であり、日本とフランスの2カ所に居住しながら、「社会システム・デザイン」という新しい分野の確立と発展に向けて活動中されています。
近年、社会システムの不備が顕著になってきました。しかし、社会システムをデザインするための考え方は、これまでの考え方とは大きく違うものとなっております。多くの人にとって未知の領域である社会システムデザインとは何か、社会システムデザイナーとして数々の提言を行っている横山禎徳氏に、社会システムをデザインするための考え方ついてお話し頂きました。

横山先生は、まさに我々が慶應SDMでやっているのと同じように、俯瞰的に問題をコーザルループを使って構造化し、レバレッジポイントを見つけ、それを解決するための仕組みを設計するということを行われていました。
もちろん、これらをすごく高いレベルで行われていらっしゃるので、「同じ」というのは失礼かもしれませんが、方向性や考え方があまりにも近いことに逆に驚いてしまいました。最後の仕組み社会システムのアーキテクチャとしてデザインするときに、慶應SDMではシステムエンジニアリングの用語を使って、ViewとViewpointを明確にし、機能と物理とを明示的に扱っているところが慶應SDMがもっている特徴なのかもしれません。
いずれにしても、横山先生レベルの方がやられていることとほぼ同じことを、同じ目的のために教えていることがわかったことは、自分達のやっていることが間違っていなかったんだという自信をもつことができました。
横山先生には今後もいろいろと教えていただきたいと感じました。
ちなみに、講演終了後は、慶應SDMが入っている協生館1階にあるHUBというパブで、横山先生を囲んでみんなで飲みました。こういったところも普通の大学院とは違うSDMらしいところです。

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posted by しらぴー at 21:33| Comment(0) | 講演