2024年09月15日

日経SDGs/ESG会議:動画「宇宙開発の商用化〜あらゆる産業が参入できる宇宙開発の今後〜」

9/9に日経SDGs/ESG会議「サステナビリティと社会課題解決の融合」の中で、SDGs×宇宙・NIKKEI宇宙プロジェクト特別セッションで講演させていただきました
その時の動画を以下から見ることが可能です。(期間限定だそうです)
https://channel.nikkei.co.jp/202409esg/20240909a05.html

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posted by しらぴー at 10:42| その他

2024年01月01日

2023年の振り返りと2024年の抱負

みなさま

新年明けましておめでとうございます。旧年中は本当にお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

2023年中は、本当に大変多くの方々にお世話になりました。そして、多くの方々との繋がりの中から、新たなことに挑戦する機会をいただくことがでいました。その結果として、2023年も年初には想像もしてなかったことを経験することができました。想像もしてなかったことが起きるということを想定するという不思議な感じではありますが、でもやっぱり振り返ると、想像してもなかったことが起きてますね。
授業も研究もプロジェクトも一人ではできないことをさらに強く実感しました。講演すらも、そのベースとなる知見には、学生との研究や企業との共同研究、授業を進める上で経験、そしてプロジェクトで考えたことなどが多くそのベースとなっています。2023年も新たな知見が得られ、それを人材育成やプロジェクトに活かせることができました。特にDXの考え方、進め方においてデジタルを基盤としたアーキテクチャを考えることがどういうことなのかがかなりわかりやすくなったのではないかと思っています。とはいえ、まだまだ深めることができるものなので、今年の活動を通じてブラッシュアップしていきたいと考えております。

2023年はCOVID-19も落ち着いてきて、人と直接会うことのできる活動が復活してきましたね。しかしながら、オンラインも活用して、出張先からのオンライン会議も併用するのが当たり前の時代になってきましたね。
まずは2021年度入学の学生たちが修了しました。彼らはコロナのオンライン時代に入学・修了した学生たちでしたが、とてもいい研究をみんなしてくれました。
こちらに研究一覧が記載されています。
http://sdm.sblo.jp/article/190647680.html

2023年も例年通り、授業や研究相談を週末と平日の夜を中心にがっつりさせていただきました。2023年は、それ以前よりもさらに時間が取れなくなったため、研究相談はどうしても外での活動ができない時間になってしまいました。ただし、コロナ過とは異なり、授業は対面を中心としたハイブリッドとなりました。単純に昔に戻ったのではなく、対面でもオンラインツールを活用するなど、コロナを経て大きく進化したものとなりました。ハイブリッドのための教室環境も整え、これまた大きく進化しました。
また講演も合計100回程度させていただきました。講演も対面が増えたため、逆に回数はコロナ過よりも減少しました。しかしながら、対面での講演は終わった後に参加者とのやりとりも多く発生し、やはり対面には対面の良さも感じるものでした。内容としては、例年通り、システムズエンジニアリング、システムxデザイン思考、宇宙関連の大きく3種類でしたが、それらの複合的なものもありました。特に、システムズエンジニアリングの中のシステムアーキテクチャとその先のDXや技術による新価値創造に関する講演も多くしました。企業内部など非公開のもののほうが相変わらず多いのですが。また、企業研修も引き続きたくさんさせていただきました。DX人材のうち、デジタル人材ではなく、トランスフォーメーション人材(X-人材)の育成に関するものが大変多くなっています。政府関係の委員会も数多く委員として参加させていだきました。これまでは宇宙関係を中心にデジタル関係、ものづくり関係の委員、カーボンニュートラル関係のものが多かったのですが、昨年度は内閣府のクールジャパンの委員会の委員もさせていただきました。主査や座長的なものが増えてきたので、年齢を重ねてきたということですかね。そういえば、公募審査の審査委員もめちゃくちゃ多かったですね。

2023年の大きな活動についてご報告させていただきます。

宇宙開発関連
2023年でもっとの時間を使ったものの一つは、宇宙政策に関する活動だったように思います。2023年6月に宇宙基本計画の改訂版が閣議決定されました。その改訂作業には本当に多くの関係者と議論を重ね、激変する宇宙開発環境にどのように日本として対応するかを考えた上での改訂でした。関係者と泊まり込みで議論するなどもありました。その中の重要な政策の一つが、宇宙戦略基金(通称、JAXA基金)でした。10年で1兆円の基金化を目指したもので、技術の研究開発から社会実装のための支援まで広くカバーするものになります。そして、それにあわせて工程表の改訂も12月に閣議決定されました。現在は、宇宙技術戦略の策定に向けて議論を続けています。
同じ宇宙開発関連としては、Synspectiveの活動があります。すでに取締役も離れ、直接的には関与してませんが、引き続き応援をしております。2023年には、J-Startup Impactにも選ばれました。それ以外にも世界で色々な賞をいただくとともに、連携をさせていただいております。2024年にはすぐに打ち上げも予定されており、引き続き世界の災害による被害を少しでも小さくするために進んでいくと思います。2023年の講演では、Synspectiveの創業に関わるものも多くありました。また、同様にsysnepctiveの創業に関わる記事も多く書いていただきました。
日経新聞の記事
http://sdm.sblo.jp/article/190522673.html
Forbes Japanの記事
http://sdm.sblo.jp/article/190535349.html

SDM
みもちろん、もうひとつの最も多くの時間を使ったものは、SDMの活動です。授業や研究はもちろんですが、対面の公開講座も復活しました。授業ではオンラインホワイトボードのツールを使っていますが、対面ではホワイトボードペーパーとポストイットという昔のやり方でやっていたりします。オンラインとオフラインの違いもよくわかってきたので、目的に応じて使い分けている感じですね。11月には3日間の集中ワークショップもおこない、多くの人に参加していただきました。集中講座にでていただくと、SDMでどのようなことを学ぶのか、その一部ですが体感することができます。このため、昔からこの集中ワークショップに参加して、納得してSDMを受験してくださる方が多くいます。2024年にも集中ワークショップを受けた方が入学してくれると思います。
http://sdm.sblo.jp/article/190635610.html
白坂研としては引き続きミラノサローネにも出典いたしました。ホッピービバレッジさんをはじめとして、色々な方々のご協力をうけての活動ですが、学生たちにとっては本当に何にも変え難い経験をできている貴重な活動となっております。
http://sdm.sblo.jp/article/190298896.html
そして、10月1日から西村教授のあとを引き継ぎ、SDMの研究科委員長に就任いたしました。自分の研究室だけなく、SDM全体の経営、あるいは慶應義塾全体の経営についても関与できることは大変光栄です。SDMは専任教員全員で意思決定をしてきている大学院ですので、引き続き、12人で力をあわせていく予定です。多くの人にSDM研究科委員長就任を祝っていただき、本当に嬉しかったです。SDMは、単独でできないことを、多様な方々を協力をして実現することを目指しております。ぜひ引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。
http://sdm.sblo.jp/article/190586494.html

IPA DADC(デジタルアーキテクチャ・デザインセンター)
引き続き、IPAのDADCの活動も支援しております。DADC内の人材育成やプロジェクト支援を継続しておこなっております。2023年は、デジタルライフライン全国総合整備計画もはじまりました。アーキテクチャWGの座長として、自動運転、ドローン、インフラDXを統合した将来像のアーキテクチャをデザインすることをになっております。その検討を進める中で、デジタル時代にアーキテクチャがどのようになっていくのか。そして、協調領域と競争領域をデザインするとはどういうことなのか。色々と考えが深まり知見がたまってきております。ぜひ実践を通して、より知見をまとめていきたいと思っております。こちらは2024年にはアーリーハーベストとしての社会実装がスタートします。
http://sdm.sblo.jp/article/190548435.html

スマートシティと地域活性
スマートシティの活動は、スマートシティインスティチュートと連携して、Wellbeing指標を活用した施策のデザインについて、人材育成を実施させていただきました。デジタル庁の委員会にもメンバーとして参加させていただき、指標を活用するための検討もいたしました。その中では、ワークショップデザインの方法論についても紹介させていただきました。
そして、実際に幾つかの自治体の支援もさせていただきました。アドバイザーをさせていただいている尾道市では様々な活動をさせていただくとともに、wellbeing政策アドバイザー制度を立ち上げ、白坂も色々とご一緒させていただいている方々にアドバイザーにもなっていただきました。具体的な活動を2024年におこなっていきたいと思っております。もちろん、フェローをさせていただいている浜松市でも色々な活動をさせていただきました。
関連する活動としては、地域活性化の活動を継続しております。「日本を刺激する」という活動を継続しておこなっており、色々な地域で人材育成をしております。石垣市、高松市でのイベント、山口県の人材育成などでの活動をしました。新たに男鹿市でもイベントに参加させていただき、今後についての話などもいたしました。他にも複数の地域で人材育成の支援などさせていただきました。日本は本当に隅々まで可能性があると思っており、今後も積極的に地域にかかわっていきたいと思っております。

COI-NEXT
JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)共創分野本格型に慶應義塾大学 医学部中村教授がプロジェクトリーダーをされる「誰もが参加し繋がることでウェルビーイングを実現する都市型ヘルスコモンズ共創拠点」の活動にも参加しております。このプロジェクトでは、病院での治療が終わった「後病者」を主なターゲットとして、東京や大阪のような都市に住む後病者の再発防止や再発の不安を和らげるためのプロジェクトとなります。2023年からは白坂はサブプロジェクトディレクターの役割も担うことになり、プロジェクト全体のマネジメントも実施するようになりました。引き続き、研究開発課題1「社会システムデザイン」のリーダーも担当させていただいています。2024年は社会実装に向けた活動が推進される年となる予定です。

食に関する活動
食に関する活動も多くおこないはじめました。食は全ての人の関わるもので、その捉える切り口は無限と言っていいほどあります。対象を俯瞰的に捉えるSDMとしては、本当に研究対象としてやりがいのあるテーマだと思っております。実際、一次産業としてのプレイヤーの方々、加工等をされている方々、そして、食を提供している三次産業のプレイヤーの方々、そして地域の自治体の方々、さらにNPOや研究者の方々。本当に多くの人たちと関わらせていただいております。
プライベートでは、日本酒にハマりました。コロナで海外出張がなくなり、コロナ過の終わり頃に国内出張で色々と伺う機会が増えたのがきっかけですが、日本には本当に美味しい日本酒があることを知りました。さらに、熱燗。燗付け師さんが、日本酒1本1本に、適切な温度を選び出してくれる。さらには、その温度に至るための温度勾配までも考えて提供してくれる。こんなお酒は世界にないのではないでしょうか?さらに、地元米や地元酵母をつかったり、自然な農法、つくりを目指すなど、本当に面白い活動が目白押しですね。これからも日本酒をプライベートでも楽しんでいきたいと思っています。ぜひ研究でもテーマにできればと思っているので、日本酒にかかわる研究を一緒にできる方はぜひご連絡ください!

システムズエンジニアリングに関する活動
上述してIPA DADCもシステムズエンジニアリングに関する活動ですが、それ以外にも国プロや企業内のプロジェクト・人材育成としてシステムズエンジニアリングに関する活動がすすんできております。System of SytemsやMBSEなど、システムズエンジニアリングも進化を続けており、色々な分野でこれらの必要性がでてきております。オープンな活動でないものがほとんどではありますが、色々な分野横断的にみていて、必要性が増加していることを感じております。2024年からももっと必要性が増すことでしょう。ちなみにINCOSEというシステムズエンジニアリングの団体の企業会員は、日本企業の数が米国につぐ第2位となっております。日本での重要性を多くの企業が認識しはじめているということかと思います。

Jaxury/クールジャパン
SDM修了生の熱い思いから始まった活動Jaxury (Japan Authentic Luxury)。講談社の協力のもと、Frauにて毎年表彰させていただいております。そして、その活動も評価していただき、内閣府クールジャパンの活動にも参加させていただいております。クールジャパンの委員としての活動のほか、関連の人材育成活動や、体系化の活動など。Jaxuryでも、どのように日本の本物のLaxuryをつくることができるかという体系化をおこなおうとしており、まさに連携する活動だと思っております。もちろん、その後ろには、トランスフォーメーション人材として必要なシステムズエンジニアリング/アーキテクチャやシステムxデザイン思考が必須となっております。また、日本の地域活性化にもかかわり、食にも大きく関与しております。つまり上述の活動にも横断的に関係しております。

今年も上記のような昨年の活動を踏まえ、さらに想像を超えた1年となるように頑張って行きたいと思います。

コロナ過で人と会うことの重要性を本当に感じたため、2023年は色々な人と会うことを重視しました。色々な人にお声がけをさせていただき、お付き合いいただきありがとうございました。2024年もまたお声がけさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

最後に、白坂研の5つのコンセプトを書かせていただきます。この研究室のコンセプトに賛同してくださった多くの人たちと、さまざまか活動を行っていく予定です。

最後に、研究室のコンセプトを書かせていただきます。
  • 「やれる」ことは全部やる:「やらなかった」ことを後悔しないために、やれることは全部やるあとから、「ああ、やっとけばよかった」と後悔しないためにも、「やりたいと思った」こと、「やれる」ことは全部やるということを目指します。これまでも、「“Yes” or “はい”」、「倒れるときは前のめり」といったゼミの標語がありましたが、これは要するにこういうことをさしています。
  • 入学前には思いもよらなかった自分に:これも昔から言っていますが、Mラボとしては、「入る前に考えていた自分」と「出るときに感じる自分」との差を最大化することを目指して頑張ります。これは、ゴールを設定するのではなく、変化の傾きを最大化することだけを目指し、到達点は最後に見るものということをアプローチとしています。到達可能なゴールを設定するなんて、自分の能力の限界を先に決めてしまっているようで勿体無い!
  • 常に「無知の知」を意識する:多様な人の集まる環境にいるからこそ実感できますが、自分がいかに限られた範囲のことしか理解できていないのかを常に意識することを目指します。他人のことを「間違えている」と思ったら、「もしかしたら、自分はその人のいうことを全ては理解できていないのではないか」と疑うことから始めることを指します。自分と違う人のいうことを100%理解することは不可能です。なので、自分がわかっていない可能性を常に考える。そんな思いをもっていつも多様な人と接する必要が重要ですよね。
  • 受けたものは次へ渡す:よく、ゼミの学生からお礼を言われます。もちろん、それは純粋に嬉しいです。でももっと嬉しいのは、自分が受けたものを、次の人に提供してくれることです。それがつながっていけば、一人では到底与えることができない範囲の人たちにいろいろなものを提供できるようになります。それがつながっていくことこそがエコシステムです。ぜひSDMで受けたものは、SDMの後輩、外部の人にどんどんと提供していってもらえればと思っております。
  • 頭を使って貪欲に成長する:どんなものからも「学び」を見つける
    。この意識がないと、「あ、それ知ってる」で終わってしまいます。でも物事は本当に多角的に学ぶことができます。そのチャンスを失うことなく、最大限にチャンスを活かして欲しいと思っています。また、言われたことをそのままで受け取らないで自分なりの観点で考えて受け取ることも重要です。自分なりの視点で見ると、さらに得られるものが自分の中にあるものと結合しやすくなります。

長くなりましたが、今年も上記のような思いをもって頑張っていきたいと
思っております。本年も1年間、よろしくお願いいたします。
posted by しらぴー at 00:28| その他

2022年11月19日

日本創造学会 第44回研究大会での発表タイトル

11/13におこなわれた日本創造学会 第44回研究大会での発表において、以下のタイトルで白坂研関係者が発表いたしました。
・新たな料理の発想を支援するアーキテクチャフレームワークの試行
・課題起点ではなくビジョン起点によるワークショップの提案
・嗅覚低下への関心誘起から嗅分行動を促す体験の設計手法の提案
・ゼロトラストとトラストに関する一考察
・システム×デザイン思考を用いた本物のブランディング
・DEOSプロセスに沿った不確実性対応の訓練方法の提案
・シーズ起点でのアイデア創出ワークショップ設計手法:衛星データソリューション創出を主題とし
・つながりを形成するきっかけとしての自己開示と類似性の認知促進ツールの提案
・オンライン環境とオフライン環境を想定したプロトタイピング設計の分析
・ビジネスイノベーションを目的としたファシリテーターに依存しない対話型鑑賞法
posted by しらぴー at 01:13| その他