2019年01月28日

システムアーキテクチャとは

システムアーキテクチャーとは何か?
国際標準ISO/IEC/IEEE42010-2011(旧IEEE1471)を見てみると以下のように定義されている。
fundamental concepts or properties of a system in its environment embodied in its elements, relationships, and in the principles of its design and evolution

世界で最初に広まったシステムズエンジニアリング ツール「CORE」を出したベンダーであるVitech社が無料で配布している冊子"A Primer for Model-Based Systems Engineering”(2nd Edition)では以下のように説明されている。
System architecture/synthesis is concerned with what physical structure offers the best balance−considering manufacturing, testing, support, and other factors−in answering the customer’s need for the system.

また、Cameron, Bruce; Crawley, Edward; Selva, Daniel. Systems Architecture, Global Edition (ページ17).  . Kindle 版.では、以下のように書かれている。
architecture is an abstract description of the entities of a system and the relationship between those entities. In systems built by humans, this architecture can be represented as a set of decisions.

要するに、システムアーキテクチャとは、
システムの基本的な概念であり、
顧客のニーズを満たすためにバランスのとれた
システムの構成要素とそれらの関係性を表すものであり、
デザインと進化の原則となるものである。
設計者がおこなった一連の意思決定を反映したものである。

といったところでしょうか。
実際に、システムのアーキテクチャは、システムを特徴付ける。システムをどのようなアーキテクチャにするかは、まさに、そのシステムでどのような価値を提供するのか、提供する価値をどのように実現するのかを決定づけるものである。例えば、AIやIoTやビッグデータなどといったときに、これらをどのように活用して、どのような価値を提供するのかは、システムアーキテクチャをどのようにするのかにかかってくる。

SEBOKにあるとおり、上記の定義では、” fundamental”というのが曖昧で、明確に定義されていないという問題点がある。実際には、なんのためにその"architecture"を必要とするのかによって、抽象度が変わってくる。
これらを踏まえると、OMG Systems Modeling Language Specification, version 1.2, July 2010. における以下の定義も参考になる。

 “The organizational structure and associated behavior of a system. An architecture can be recursively decomposed into parts that interact through interfaces, relationships that connect parts, and constraints for assembling parts.”



慶應SDMにおいて設立当初から、このシステムアーキテクチャに着目したアーキテクティングラボを運営してきました。対象とするシステムは、ハードウェア・ソフトウェアシステムに限らず、ソーシャルシステム、ビジネスシステム、イノベーションシステムのアーキテクチャなど幅広く分析・ディスカッションをしてきました。

例えば、2010年度は「System Architecting of the Art」をテーマとして、人の心を動かすシステム(Art)をアーキテクチャの観点から分析することを行いました。メンバーが興味のあるArtについて、アーキテクチャの観点から分析し、報告する活動を行いました。この中では、映画のアーキテクチャ、ドラマのアーキテクチャをはじめとして、楽曲のアーキテクチャ、俳句のアーキテクチャ、色彩のアーキテクチャなどの興味深いアーキテクチャ分析結果が報告してもらい、ディスカッションをしました。対象は多岐にわたりましたが、その中から「緊張と弛緩の関係」、「アーキテクチャの時間的変化というアーキテクチャ」というArtのアーキテクチャに特徴的に見られる新しい観点を見つけるなど、面白い議論をしました。このアーキテクティングゼミはしばらく緩やかな活動しかしてなかったのですが、今年からまた積極的に活動をすることとしました。
posted by しらぴー at 01:46| Comment(0) | システムズエンジニアリング

2019年01月25日

システムズエンジニアリング の入門講座

4/12にシステムズエンジニアリング の入門講座をおこないます。3時間のロングバージョンです。イメージでいうと、SDMでやっている集中講義のグループワークなしでやっているイメージです。4/4までの申し込みの場合は、早期割引があるようです。ご興味がある方は、申し込みください!

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posted by しらぴー at 14:31| Comment(0) | システムズエンジニアリング

2018年10月23日

元INCOSEプレジデント David Long氏によるMBSE入門ワークショップ

10月17日に、元INCOSEプレジデント David Long氏によるMBSE入門ワークショップを白坂の関係者向けにクローズドで開催させてもらいました。45名ほどの方に参加いただきました。
昔から日本で講演等をしてほしいと思っていて、色々なイベントのたびに、声をかけていたのですが、なかなかスケジュールがあわず、実現ができていませんでした。今回は、Davidがそのことを覚えていてくれていて、いきなり「日本にいく機会があり、1日時間を作れるんだけど、慶應で何かしようか?」と彼の方からオファーをしてくれたものでした。
本当にうれしい!
もともと、私がINCOSEにいきはじめた2000年のときには、彼の父親James E. Longがアクティブに活動していました。(彼は今年のINCOSE International Symposiumでthe Posthumous Pioneer Awardを受けました。)
その後、DavidがINCOSEにくるようになり、そしてINCOSEのプレジデントになりました。
彼らはVitechというシステムズエンジニアリングツールを販売する会社としてはもっとも古くからある会社の一つであり、COREというツールがもっとも古くからあるものです。
今回のワークショップでは、MBSEの本質的な考え方を教えていただき、参加者も理解が進んだようです。
Davidとは週明けにも打ち合わせをおこない、今後の連携について色々とプランを立てました。
(写真は夜の懇親会の様子です)
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posted by しらぴー at 11:55| Comment(0) | システムズエンジニアリング