2日間に渡り、慶應SDMの修士論文の審査会が開催されました。
白坂研(システムデザインメソドロジーラボ)からは修士2年7名が審査会で発表をしました。
今回もなかなか難しくて、だからこそやりがいのある研究にチャレンジしてくれた7名の発表で、とても楽しむことができました。
イノベーション創出活動に関する研究では、構造シフト発想法という発想法の研究と、収束技法の研究がありました。前者の構造シフト発想法は、すでに日本創造学会で発表しており、論文も採択済みのため、みなさんも目にすることが可能かと思います。収束技法の方は、どのように選び、どのように評価項目を選び、どのように収束していくのかを提案しているもので、これもいつもワークショップなどで聞かれる質問の一つの答えになりえる可能性を持った研究となりました。もちろんPugh Concept Selectionを活用しています。
今年のM2には、組織の問題に取組んだ学生も2名いました。1名は、組織の業務プロセスをアシュアランスケースの考え方を使い、具体的にはD-Caseを用いて構造化・可視化することで、組織間の業務を円滑にし、業務プロセスの改善及び業務へのモチベーションアップを実現した研究となりました。もう一つの研究では、組織における知識の伝承の問題に、野中先生のSECIモデルをベースにしながら、システムズエンジニアリングの考え方を統合して階層化知識継承モデルを構築し、自分の組織に対して適用して評価した研究でした。こちらの研究もすでに一部は国際学会で発表済みのものとなっています。
1人の学生は、通信衛星を使い、災害発生72時間以内の緊急通信を実現するシステムのデザインを実施し、その中でキーとなる部分を実際にプロトタイプすることで実現可能なことを検証してみせてくれました。これも大変慶應SDMらしい研究となりました。
1人の学生は、企業の見えない資本の価値を測定する方法論を構築しました。この学生は、公認会計士として長年仕事をしているのですが,、貨幣価値だけでは企業の本当の価値ははかれないことをなんとかするために、そのような研究に取組みました。こちらも大変チャレンジングな研究ではありますが、大変面白い方法論が出来あがりました。
最後の一人の学生は、国際標準に関する研究です。世の中によくある標準化の研究ではなく、国際標準化活動において交渉分析や戦略構築フレームワークを構築/提案しました。これも実際に国際標準化をおこなっている学生が、現在現場で起きている課題を解決するために作り上げたフレームワークで、実際にいろいろな国際標準の現場で適用や評価を繰り返しながら作り上げたものです。
こう見てみると、今年のM2も昨年に負けないくらいばバラエティに飛んでいて、しかも全てがすごくハイレベルに仕上がっていて本当に満足いくものでした。
毎年、これくらい素晴らしい研究成果が出るとすごいことになりそうです。
白坂研M2のみなさん、お疲れさまでした。最終版提出までもう少し時間があるので、更なるブラッシュアップをして、素晴らしい修士論文に仕上げて下さい。
2014年02月10日
修士論文審査会
posted by しらぴー at 02:08| Comment(0)
| SDM
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