もちろん、これまでと同じく、システムズエンジニアリングの考え方、システムエンジニアリングプロセス、そしてシステムズエンジニアリングの手法を用いてデザインします。
これまで、技術システム、ビジネスシステム、組織システム、そして、社会システムを同じ考え方、プロセス、手法でデザインすることを学び、体験しました。これにより、単なるプロダクトのデザインだけでなく、それを活用したビジネス、それを生み出す組織、そして、それが活用される街(社会)をあわせてデザインすることができるようになります。


MITのOliver deWeck先生が書かれた「Engineering Systems」という本では、これに近いものを電気自動車を例に説明しています。具体的には、電気自動車はそれだけをデザインしても社会で実現することはできません。それをさせるためにインフラが必要です。ここでいうインフラとは、電気ステーションなどをさします。また、電気ステーションなどのインフラをつくろうとしても、そもそも法制度があっていない。つまり、法律という社会システムからデザインする必要があります。
このように、今までは、それぞれを別のものとしてデザインすればよかったものが多かったが、これからは、社会システムからあわせてデザインしなければ新しいサービスやプロダクトが投入できないようにようになってしまいました。
また、組織やビジネスについては、「Enterprise Systems Engineering」として研究が進んできました。こちらは、MITREという会社が中心となって体系化を進めて来た考え方になります。
SDMでは、これらの最新の考え方も押さえながら、より汎用的なCapabilityを学生が身につけられるように講義をどんどん最新化していります。今回の授業も、昨年度にはなかった新しい構成の講義となっており、日本はもちろんのこと、世界でも最先端の授業をできているのではないかと思っています。


来年度に入学する学生には、更にアップデートされた講義を提供したいと思っています。