2013年05月06日

第3回デザインプロジェクト(日本語)

デザインプロジェクトの第3回目の授業はゴールデンウィークの土曜日に、まるで普通の土曜日であるかのようにいつものとおり13時〜18時までおこなわれました。
最初は、調査・分析について石橋助教授が講義をしました。デザイン思考的に主観を中心にし、個別の事例に着目しながらおこなう調査・分析とあわせて、多くの客観的なデータをもとに統計処理をしたり、構造化をすることにより全体を把握するようにあ調査・分析も大切です。このあたりは、通常の1日や数日のワークショップではなかなか本当に必要なレベルまでやってもらうことができないので、なかなか短期のワークショップなどではやられることは少ないですが、実際に世の中に新しいものを提案していこうとすると絶対に割けることができないところになってきます。そのあたりを知ってもらうためにこの内容を教える時間をデザインプロジェクトではとっています。
もちろん、あるテーマで演習もやってもらいました。

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引き続いて、Pugh Concept Selectionです。実際に、多くのアイデアを出すのは発想法の練習をするとそれほど難しくなくなります。また、そこから候補をいくつかに絞っていくこともそれほど難しくはないです。(たいしたことの無いアイデアが多数ですからね。)しかしながら、最後に1個にしていくときに最も困難が伴います。アイデアの選定法にかかわる研究は以外と少なく、我々の研究室でも研究していますが、それほど簡単ではありません。創造力辞典を見てみるといくつかのアイデアを何らかの視点で関係性を見つけていき、まとめていく手法が紹介されていますが、最終的に1つを決めるための手法というのはなかなかありません。
Pugh Concept Selectionは、複数のアイデアをいろいろな観点で比較しながら、最終的にはよりよりアイデア1つに収束していくための手法です。(そういった意味では、"Selection"という名前はちょっと誤解を与えるかもしれませんね。)このPugh Concept Selectionは、関係者の議論を通じて関係者間の考えを合わせていきながら、最終的には複数案の良いところを統合したアイデアにしていくための手法となります。
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そして、その次は、因果ループ(Causal Loop)でした。因果ループ自体は、すでにSDM序論にて習っているので、基本的な考え方はすでにみんな習得しています。更に、翌日からのOckie Bosch先生の集中講義で、より実践的な因果ループをどんどん考えるため、今回の講義はそのための基本となる練習として行いました。なかなか、実際に必要十分な因果の構成要素を見つけ出し、因果のループを作っていくのは大変です。例えば、「人口」が増加すると、「税収」は増加しますが、一方で、「社会関係費」(インフラ費や医療費などなど)は増えていきます。つまり単純な関係ではないわけです。これらが実際にまわるようにデザインしなければ、机上の空論となってしまいます。

そして、その次は保井教授によるエレベータピッチです。これもすでにSDM序論でそのベースとなる考え方を教えたものになります。それを実際にやってみようというのがこれになります。でも、実際にエレベータで60人もが1分ずつやるのはとても大変です。そこで昨年度からはじめたのが「エスカレータピッチ」です!ちょうど協生館前のエスカレータが片道1分間であることを利用し、ペアのうちかたほうが片道の時間で新規事業のアイデアを説明するというものです!

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何人もの学生がつらなって、それぞれパートナーに説明している姿は圧巻です!
最後に、坂倉先生による「引き算」です。これは普段当たり前のように使っているものを使わなくすることで、当たり前の裏にある気づきを得るものです。これによりフィールドワークでの感覚をするどくし、多くの気付きが得られるようになります。

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学生達には、1週間の引き算の課題が出されました。
これから1週間、何か必要なものを使わない(引く)ことによる気づきを見つけてもらいます。
posted by しらぴー at 15:12| Comment(0) | デザイン思考
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