2013年03月14日

モデルベース開発セミナー

電通国際情報サービスさん主催のモデルベース開発セミナーにご招待いただき、特に現在の国内自動車業界のモデルベース開発状況を知ることができました。
もともと白坂は前職の時代にドイツのEADSーAstrium社という欧州で1、2を争う規模の宇宙開発企業に2年ほど駐在いたしました。この時に姿勢制御系の開発する部門に所属しながら、モデルベース開発をどのように進めるかの検討や、実際に欧州宇宙機関のプロジェクトで使うモデルベース開発の環境構築を行いました。また、その経験をもとに、自社に戻ってから、モデルベース開発の推進もおこなっていました。時期的には、まだSysMLのバージョン1が出る前で、これから世界に広めるといったタイミングでした。それから10年以上が経過し、民生品開発にもモデルベース開発が本格的に利用されるようになってきたことを本当にうれしく思いました。
今回の各社の発表を聞いていて、面白いなーと思ったのは、まさに宇宙業界でおこなわれたのと同じように開発の後工程から導入がすすめられていることでした。具体的には、機械系CAD、電気系CAE、ソフトウェア、そして試験など、目に見えてイメージを明確に捕らえることのできるとこを皮切りにして、徐々に上流にあがってきているように感じました。今回は電通国際情報サービスさんの開催されいるセミナーなので、同社のiQuavisというツールの紹介もありました。こちらのツールもまさに自動車業界とともに育ってきたツールなだけに、上流の記述はまだまだこれからといったところでした。しかしながら、300人を超える人が参加されており、その注目度は大変大きかったと思います。
さてシステム設計のキモの一つは、視点を効果的に選んで、抽象度をコントロールしながら設計したアーキテクチャを関係づけることで、システムのアーキテクチャをきめることにあります。現状の自動車業界のモデルベース開発では、日本語のツールが存在しないこともあり、まだまだ成熟していないといわざるをえません。しかしながら、豊富な経験と優秀な人達が集まっている自動車業界ですので、あまり遠くない将来にこのあたりはできるようになると思っています。そうしなければすでに先行しているBMWやFordなどと差ができていまいます。日本は改善が得意ですので、現状の開発のやり方を確実によくしていくことはできますが、残念ながら新しい開発方法論を研究することにあまり力を割いて来ていません。唯一行われているのがソフトウェアの分野ではないでしょうか。あとは新しいツールの導入をおこなうことがほとんどです。しかしながらANSIーEIa632にもあるとおり、ツールは、方法論を構成する手法を実現するものです。ですので、いくらいいツ
ールを使って、最新の手法を導入しようとしても、そもそも方法論が違っていては効果はでないのです。逆に、方法論を明確に意識出来ていれば、場面に応じて手法を使い分け、さらには方法論自体も使い分けることができるようになります。慶應SDMではそのような修了生をそだてようと頑張って教育に励んでいます。ぜひ慶應SDMの修了生がいろいろなところで活躍し、日本の製造業の復活を実現してくれればと思っています。
posted by しらぴー at 13:54| Comment(0) | システムズエンジニアリング
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