2015年06月12日

インダストリー4.0リファレンスアーキテクチャモデル:RAMI4.0

ドイツが国をあげて進めているインダストリー4.0ですが、その実行の中心的な役割をになっている「インダストリー4.0プラットフォーム」が、「インダストリー4.0の実装戦略 (Implementation Strategy 4.0)」を発表しました。(ドイツ語では、「Umsetzungsstrategie Industrie 4.0」となっています。)
この中でとても興味をひかれたのが、「Reference Architecture Model Industrie 4.0(RAMI4.0)」という「インダストリー4.0リファレンスアーキテクチャモデル」です。

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(出展:Umsetzungsstrategie Industrie 4.0)
見た瞬間に、「あ、またこのパターンできたか」という風に感じましたが、まさにCEN-CENELEC-ETSIのSmart Grid Coordination Groupがつくった、Smart Grid Reference ArchitectureにでてくるSmart Grid Architecture Model (SGAM) Frameworkにそっくりな形態となっています。

RAMI4.0をみてみると、「Life Cycle&Value Stream」と「Hierarchy Levels」で平面をつくり、そこに縦軸として「Layers」を配置しています。
「Life Cycle&Value Stream」では、IEC62890「産業用プロセス計測・制御・オートメーションにおけるシステム・機器に関するライフサイクルマネジメント」をベースとしているようです。SGAMでは、「Domain」にあたる軸ですね。「SGAM」では、ライフサイクルというよりもValue Streamというほうが適切で、発電してから末端の機器にいたるまでの流れになっています。RAMI4.0では、大きく「Type」と「Instance」にわけ、「Type」の中が「Development」と「Maintenance/usage」に、「Instance」の中が「Production」と「Maintenance/usage」にわかれています。
「Hierarchy Levels」は、IEC62264/61512から構成されています。IEC62264は、企業の経営と制御システムとの統合を目指す標準「Enterprise-control System Integration」となっています。これと「バッチ制御」の標準であるIEC61512を組み合わせ、インダストリー4.0用にいくつかを追加したものとなっています。

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(出展:Umsetzungsstrategie Industrie 4.0)
これはSGAMで「Zones」という名前でいわれていたものと同様で、奥にいくほど、より上位の概念となるようになっています。
「Layers」は、ほぼSGAMの「Interoperability Layer」を踏襲したものとなっていますが、最後の層がSGAMでは「component」だったのが、「Integration」と「Asset」となっているます。

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図Smart Grid Architecture Model (SGAM)
個人的には、SGAMも、RAMI4.0もこの縦軸はいまいちかなぁ〜と思っています。
というのも、情報というのは、決して、「Function」の下だけにあるものではなく、「Function」の結果としての「Information」を「Business」がつかうこともあるので、「Information」をどこかの層にいれてしまうと、誤解をあたえてしまうからです。その点では、DoDAF2.0 (DoD Architecture Framework)はよくできていると思います。DoDAF2.0では、データやインフォメーションは、あらゆるレベルで使われるため、すべてのレイヤーに共通なものとして用意されています。
DoDAF-V2.0-Viewpoints2.jpg
図 DoDAF2.0のViewpoints
但し、DoDAFは、時間と空間の概念をFrameworkのレベルにいれていないからできているのですが。
本質的にはこちらのほうが正しいかと思っています。

詳細は、上記のような懸念点はあるにしても、俯瞰的に捉えるArchitecture Reference Modelとして、時間x空間xEnablerという組み合わせでつくるのは有効なようですね。


posted by しらぴー at 16:34| Comment(0) | システムズエンジニアリング
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