

慶應SDMは、理工学研究科、政策・メディア研究科(SFC)とともに、文部科学省「グローバルアントレプレナー育成促進事業」(通称、EDGEプログラム)を昨年度受託し、来年度までの3年間(正確には2年半)、事業を継続しています。このEDGEプログラムでは、単に、グローバルアントレプレナーを育成するだけではなく、グローバルアントレプレナー育成のエコシステムを構築することを要求されています。慶應EDGEでは、慶應SDMと理工学研究科が協力して、「多様性を活かして、集合知を得ることで新しい価値をうみだしていく」ことを継続的におこなえるシリアルアントレプレナーの育成と、エコシステムの構築を実施している。
KEIO EDGE Creative Loungeは、この育成のための教育と、エコシステムの構築の両方の目的をもってつくられたものです。具体的には、シリアルアントレプレナーとして、新しい価値を創造し続けることが必要となりますが、これには、考え(インサイト)を試してみて、その妥当性を早くから確認する必要があります。このとき、プロトタイピングを実施することが必要となるので、多様なプロトタイピングが可能となるようにしました。例えば、3Dプリンターやレーザーカッターのようなプロダクトのプロトタイピングに必要な設備から、ビジネスのプロトタイピングに必要なシミュレーションツール、映像のプロトタイピングに必要なカメラ等の機材と映像を加工するためのソフトウェア、そして音楽のプロトタイピングをすることができるようになっています。もちろん、プロダクトのプロトタイピングとしては、3Dプリンタのみではなく、回路やソフトウェアをつくることも想定しています。

一方で、多様な人がきてくれるように、ビギナーのような人がつかう機器から、プロフェッショナルの人まで幅広く使える機器を用意しました。例えば、テクスタイルプリンター(Tシャツ等のプリントが可能)では、あまりものづくりなどをしたことがない学生でも、サークルやクラブのチームのためのTシャツをつくったりするために気軽につかえる機器です。一方で、カーボンファイバーをつかった3Dプリンタでは、0.1mmピッチの本格的なプロトタイピングを実施することができます。このように、ものをつくることがとても得意な人とふれあうと、思いもよらないものが、意外と簡単にできることを知り、興味をもち、どんどん試すようなことができるようになります。このように、それほどものづくりに興味を持たない人が、どんどんと興味を持つようにするために、多様な人が出会うための場としての役割ももっています。

白坂は、この慶應EDGEのSDMにおける実質リーダーとして昨年度から慶應EDGEを推進しており、Creative Loungeについても、文科省に提案するときから検討をはじめ、受託後も、準備、工事、機器の手配等をすすめ、やっとOpenするところまできました。
将来的には、広く一般の方々に使ってもらうことも目指しておりますが、まずはEDGE関連のメンバーから順次広げて行くことを計画しております。
もし協生館2Fにくることがあるようでしたら、ぜひとものぞいてみてください。
