
ミラノサローネは、国際家具見本市というものが正式なものなのですが、
いまでは、家具にまつわるもの、つまり人の生活をデザインしているものを
すべて受け入れる形で実現されています。
更に、本会場といわれる、「国際家具見本市」がある場所ではなく、ミラノ市内の
あちこちに、企業などが場所をかりて、ブランドデザインや、プロダクトデザインなど
デザインにかかわるものをいろいろな形で表現してくれています。
慶應SDMは、この中のサテリテと呼ばれている会場に出展しました。
こちらは大学や、若手のデザイナーがブースをかまえているところになります。
今年は、日本からは慶應SDMだけが出展していました。

何人もの日本の大学の先生が声をかけてくださいました。
学生をつれて参加されている先生も結構いらっしゃいました。
ここに慶應SDMから4つのプロトタイプを出展しました。
2つは、デザインプロジェクトという修士の必修授業の成果をうけ、更に希望する学生があつまって
プロトタイピングのレベルをあげたものとなっています。
フィットネスという健康活動を実行することの困難さを克服するために、簡単にできるフィットネス
ちょこちょこフィットネスデザインというコンセプトで握ることをうながす「にぎぽん」

もうひとつは、手をあらって清潔になるはずが、結局蛇口などをさわらなくてはいけないために
本質的に汚れてしまうという問題を解決するための新しいプロダクト。

どちらも、人がどんどん集まってくるほどの人気でした。
更に、これに博士課程の学生が2つの出展をしました。
ひとつは、AgICという導電性インクを使ったプリントのための、フォント。これは導電性インクを使っても、
結局回路がわからないと文字がつくれないという問題を解決するために、そもそも回路をつかったフォントを
よういしてしまおうという試みです。その横には、美しい絵をつかった表現もあり、これもインパクトがあり
多くの人が足をとめていました。

もう一方の壁には、同じ博士課程の学生が、ポスター型照明というコンセプトを提案していました。
技術的にはAgICを使っているのですが、こちらもとても人気でした。

しかも、メインのテーブルは、田子学さんのデザイン。
このテーブルに目を留めて近づいてくる人も大勢いました。

ミラノサローネはまだまだ続くのですが、白坂は授業が土曜日にあるために先に抜けて
帰国しました。評判がいいと後になるほど人が集まってくるとのことなので、週末あたりには
すごい人になるのではないかと思っています。
とにかく、会場にいると、次から次へと人がやってきては、質問をするので、学生たちもとても
大変そうでした。しかし、「どこで買えるのか?」とか「すぐに商品化してほしい」とか、とても
ポジティブな意見も聞けて、学生も大変充実していたかと思います。
先生のほうには、「連携したい」ですとか、「入学したい」といった、これまたとてもうれしい
意見をたくさんいただきました。
一方で、反省事項も多数あるので、ぜひそれは来年に向けて活かして行きたいと思っています。