2014年12月31日

2014年振り返り

慶應SDMに来てから毎年年末にその1年を振り返るのが楽しみになってきました。というのは、自分では全く想定していなかった1年となっているのがあたり前になってきたからです。今年は1年で、どれくらい自分が想定していなかった1年になったのかを振り返ることが本田王に楽しいです。
SDMの中心的な活動であるシステムズエンジニアリングは、自動車業界をはじめとして、いろいろな分野で注目を集めてきました。共同研究もそうですが、今年依頼された講演や研修では、システムズエンジニアリングに関するものもかなり増えてきました。また、実際のシステム開発のプロジェクトをお手伝いする機会も増えてきました。いくつかの研究会にもお声がけいただき、システムエンジニアリング観点で関与を依頼されることも増えました。なかなか企業の実開発の場合は公表できないのがつらいところですが。
システムxデザイン思考のほうも2013年から継続して、本当に多くの活動をさせていただきました。2013年に開始した文部科学省の委託事業「イノベーション対話ツールの開発」は無事終了し、「イノベーション対話ツール」を納入させていただきました。これは文部科学省のWebサイトからダウンロードできます。中身はかなり本気で書かせていただいていますので、いろいろな方から、「ここまでノウハウをだしちゃっていいの?」と本当に多くの方から言っていただきました。もちろん、それを出すつもりで書きましたので、問題ないのですが、我々としては、イノベーション対話ツールを作る過程で得られた経験・知識、そしてネットワークはとても大きく、イノベーション対話ツールを読むだけでは決して得られないものも得させていただきましたので、決して出しすぎているようなものではないと思っています。2014年度になってからは、「高度コーディネート人材育成促進事業」を受託させていただきました。「イノベーション対話ツール」が多様性を活かし、集合知を活用するワークショップをデザインするための方法論として作られたのに対し、「高度コーディネート人材育成促進事業」ではワークショップ以外の活動も含めて、イノベーション創出にむけた活動をビジネスシンセシスまで含めておこなうことを目標とした教材の作成を目指しています。そういった意味では、より広くイノベーション創出活動をとらえ、より実践的なコンテクストにおいて人材を育成するための教材となります。現在、2度のトライアル教育をおこないましたので、それらのフィードバックをうけて、来年の春には教材を納入する形となります。
更に、今年は、文部科学省のEDGEプログラムを受託することもできました。これは、「グローバルアントレプレナー育成促進事業」で、グローバルコンテクストにおけるアントレプレナーの育成のためのエコシステム構築が目標となっています。慶應SDMでは、グローバルに活躍できるシリアルアントレプレナーをPBL教育を通じて育成し、そこにかかわる人々のエコシステムを構築することを目指してスタートしました。今年度はトライアルで開催ということで公募をし、そこから書類選考で30名まで候補者をしぼりました。候補者には4日間(週末2回)のIntensive Workをやってもらい、その過程を通じて16名まで絞り込んだ状況です。現在はこの16名を4チームにわけ、4チームでプロジェクトベース教育を実施している最中です。この慶應EDGEプログラムは、講義も発表も質疑もすべて英語で実施しており、実際に留学生も混じっておこなっております。2014年度を含め、合計3年間の事業となるため、まだまだこれからどんどん進化するので、来年が楽しみな事業の一つです。
更に共同研究・研修を通じて、企業の方に6ヶ月程度の長期にわたったイノベーション創出教育も要望が増えてきました。これは実際に社員でグループをつくっていただき、最後にはイノベーティブな新規事業提案までおこなうものとなりますが、あまりにも引き合いが多くこちらもびっくりしているものの一つです。さすがに人的リソースに限りがあるので、それほど多くを受けることはできないのですが、実際にその成果から新規事業を進めている企業も出ており、こちらとしても時間と労力をかけた価値があるものとなっており、本当によかったと思っております。
数日のワークショップや講演などは、数えきれないくらい依頼がきており、こちらもなかなか日程があわず、すべてを受けきれていませんが、できる限りご希望に応えられるようにがんばっております。
システムズエンジニアリングとシステムxデザイン思考を統合したコンセプトエンジニアリングという活動もはじめました。こちらはまだまだこれからですが、来年は少し加速していきたいと思っています。
もともと私の専門である宇宙開発関連の活動もすごくいろいろなことのあった1年となりました。特に、開発初期から携わっていた東大の中須賀先生が率いる「ほどよし」衛星と和歌山大の秋山先生が率いる「UNIFORM」衛星の打ち上げがおこなわれ、現在、軌道上で運用がおこなわれていることです。これは大学にきた当初から携わっていたプロジェクトになりますので、とてもうれしいことです。現在もいくつかの大学ベースの超小型衛星のプロジェクトが動いています。また、公表はできませんが、いくつかのシステム開発プロジェクトにも参加させていただいており、これらも結果がでるまでには数年かかりますが、とてもワクワクできるものとなっています。
宇宙政策委員会関係の活動も大変いそがしいものとなりました。2013年から続けていた、宇宙輸送システム長期ビジョンは4月に正式に策定され、公開されました。この長期ビジョン策定の過程で、委員の方々と本当にたくさんの議論をさせていただきました。委員のみなさんの熱い思いをなんとか書き入れて、でも政府の出すビジョンとしてまとめていくのは大変ではあるが、とても楽しい作業でした。そして、宇宙輸送システム部会に追加して、基本政策部会のメンバーにもさせていただきました。こちらでは現在制定に向けて作業をおこなっている「新宇宙基本計画」と「工程表」の作成をお手伝いさせていただきました。こちらでもいろいろな方の多様な意見を聞くことができ、またこれまでの経験から得られたものをおつたえすることができ、とてもいい経験をさせていただきました。まさかこのような機会をいただけることになるとは思っていなかったので、時間的には厳しかったですが、すばらしい経験となりました。
そして、最も時間を使った活動は、やはり授業と学生の研究指導になります。白坂研には本当に多様な人が集まってきてくれており、その分、研究テーマも多様となっています。社会人学生の多くは、自分で問題意識を持って入ってきているので、こちらからテーマを与えるのではなく、自分でテーマをもってきます。つまり、こちらのあまり専門性のない分野を学生がテーマとし、学生の専門性と私の専門性を組み合わせることで、これまでにない研究をおこなうというのが多いです。特に方法論の研究では、実際に学生の経験や試したことを一緒に議論し、世の中にある方法論やこれまでに構築してきた方法論を参考にしながら、独自の方法論を作り上げていくというやり方になります。もちろん対象はものづくりもあれば、街づくりや組織、ビジネス、イノベーション創出活動、教育などさまざまです。しかし、これが本当に面白い。毎年、思ってみなかったような方法論が出来上がることが多いです。でもやはり、すごく時間がかかるのは仕方ないですね。新しいことなので。
本当に毎年、こんなに予想を大きく上回る年になってもいいものなんだろうかと思ってしまいます。昨年もそうでしたが、今年も本当に予想を大幅に越えた1年でした。こんな年を何年も継続してしまったら、数年先の自分がどうなっているのか、本当に全く予想ができないです。以前の修了生が、「全く想像してなかった自分になれるところが慶應SDMだ」と言っていたのを思い出します。本当に、全く想像してなかった自分が1年後にいます。こんなすごいことって本当にあるんですね。しかも、一昨年、昨年に続き、今年も。これって、偶然ではないということですね。(実は昨年書いたのとほぼそのままの文書です)
今年1年は、目標値を設定するのではなく、その変化率を目標とし、それを更に超えることを自分にかしていましたが、それは十分超えれたと実感しています。
今年は、慶應SDMの学生にも「全く想像していなかった成長」を感じてもらうことを目標にしていました。学生たちがそのように感じてくれるといいなと思っております。

2014年も、本当に多くの方のおかげで、本当にいい1年だったと思います。皆様、本当にありがとうございました。そして、2015年もよろしくお願いいたします。
posted by しらぴー at 20:07| Comment(0) | その他
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