2020年01月01日

2019年の振り返りと2020年新年のご挨拶

みなさま

新年明けましておめでとうございます。
今年も1年よろしくお願いいたします。

旧年中は大変お世話になりました。昨年も本当に色々なことがありました。相変わらず、年初には想像もしてなかったことがたくさん起きた1年となりました。今年も、今の時点ではいろいろなことを考え、計画しておりますが、きっとそれを超える1年となることでしょう。
今年も例年と同じように、思った通りにならない、計画通りでない人生を楽しんでいきたいと思います。

まず、2019年はImPACTが3月に終了しました。ここ数年の活動の締めから始まった1年でした。
http://sdm.sblo.jp/article/186974161.html


そして、その技術を使ったベンチャー企業Synspective社を本格始動しました。Synspective自体は、2018年2月に作った会社ですが、2019年7月には、シリーズAまでの資金調達額が109.1億円になったことを発表しました。創業17ヶ月での調達額としては世界最速とのことです。2018年から2019年にかけて、資金調達、会社の仲間探し、研究開発をSynspectiveの仲間たちとおこないました。
この辺りの詳細は、BSフジ「この国の行く末2」で少しお話をさせていただいております。どのように考え、どのようにSynspectiveを立ち上げてきたかを紹介しております。

2019年度になってからは、「アーキテクチャ」という概念を産業・社会構造に適用する取り組みを経産省、内閣府、世界経済フォーラムとおこなってきました。この中で、MaaSや自動運転、スマートシティ、ドローン管制など、色々なものを対象にアーキテクチャをデザインすることを経験させていただきました。こちらはまだまだ継続中です。
今年は、IPAに産業アーキテクチャデザインセンターを設立し、色々な新産業や社会の仕組みをデザインすることに挑戦をしてきます。
このため、衆議院の経済産業委員会で、情報処理促進法という法律の改正案を審議するための、参考人質疑として、システムアーキテクチャ分野の専門家として15分のプレゼンと、国会議員からの質疑をおこないました。
http://sdm.sblo.jp/article/186808282.html


内閣官房の設置したデジタル市場競争会議のメンバーとして、GAFAなどの巨大プラットフォーマの規制や今後のプラットフォーマ等デジタル市場の活性化を議論しています。こちらは今年も引き続きおこなわれます。

慶應義塾が発行している「塾」という冊子のWINTER 2020 (No.305)において「特集 宇宙をめぐる研究」というテーマで2ページにわたってSDMでの宇宙開発関係の研究を紹介もさせてもらいました。

竹延さんと一緒に日経新聞に大きく出た時には色々な人からご連絡をいただきました。
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システムデザインメソドロジーラボの学生の研究活動は活発に進みました。2019年3月には2017年4月に入学した10期が修了していきました。以下にメソドロジーラボのメンバーの修士論文テーマ一覧をかいておきます。
【技術システム開発関連】
  •  性能向上の方向性と対抗技術比較を活用した防衛装備品の不連続な未来洞察手法の提案
  •  段階的詳細化と客観的評価指標を導入したリスク特定・分析プロセスの提案
  •  小規模組織のための宇宙機用機器の開発プロセス策定を支援するシステムモデルの提案(西村研)
  •  市民協働によるドクターヘリ着陸援助を可能にするパイロットとの視覚的コミュニケーションプロセスの設計と検証(神武研)
【社会システム関連】
  • 自らのコミットメントに基づいた事業計画の設計を支援する手法の研究
  • 組織変革に向けた組織効力感を強化するための方法の提案
  • 個人的学びの経験を主体的に第三者に共有するに至る行動変容を促すプロセスの提案
  • 都市公園型フィットネスシステムの提案
  • 越境的学習において知識の仲介を促進する手法とツールの提案(五百木研)
  • コミュニティの活性度を可視化し向上させるため手法提案(五百木研)
  • 階層構造を用いてコンセプトの顧客価値評価を支援する手法の提案(五百木研)
  • ダイバーシティ経営における課題発見と従業員モチベーション向上のためのツールの提案(五百木研)
  • バリューグラフによる組織活性レベルの向上手法提案(五百木研)
  • 高校生を対象とするイノベーター力向上プログラムの提案(五百木研)
  • 起業家行動を促す指針と手法の提案(五百木研)
  • 営業レベル向上を一流営業パーソン行動特性モデルの提案(五百木研)
  • コモディティ化した商品群に対する製品コンセプトの差別化を支援する手法の提案(高野研)
  • チーム活動の成否に影響する要因についての研究(谷口直子研)
  • 新しい取り組みを伝えるクラウドファンディングWebページ改善ガイドラインの提案(谷口直子研)
  • 難民の地域定住促進を目的とするアセスメントツールの提案(谷口智彦研)

修了したメンバーもいますが、4月からは新たに12期生がゼミに参加してくれました。社会人も新卒学生も、理系も文系も区別のないSDMでは、毎年バックグラウンドの違う多様な学生たちが入ってくるため、年によってかなりカラーが違っています。
学生の研究もかなり進みました。国際学会やジャーナルでのBest Paperも何本かでました。また、博士取得者も1名でました。教員、修了生、在校生も含めた研究推進・論文化のエコシステムも徐々にですが、構築され、まわりはじめてきたのではないかと思っています。
11期 M2の研究も大詰めを迎え、修論を仕上げる段階にきています。今年も本当に多様で、いろいろな研究が進みました。これから修論提出・審査会ということで忙しい時期ですが、ここでの頑張りが、いい研究をその良さが伝わる研究に昇華するので学生と踏ん張っていきたいと思っております。M2のゼミ長たちは、多くの学生たちをきちんとまとめてくれました。本当に感謝しかありません。M2、M1、博士を合わせると50名を超える大所帯を運営するのは本当に大変だったと思います。
毎年多様なメンバーのMラボの運営は学生中心のため、毎年その内容が大きく変わります。11期は研究に対する熱も強い代でした。M2だけの春合宿で1泊2日で研究を進める合宿もはじめておこないました。ゼミ長は12期にバトンタッチして、これからは12期カラーのゼミとなっていきます。

そして、4月に入学が決まっている方、これから目指してくれている方、本当に今年もどのような1年になるか楽しみです。これから受験を控え、準備をしてくださっている多くの方も、受験に見事合格され、4月が一緒に学んでいけることが本当に楽しみです。
昨年は、すでに毎年恒例となってきた集中講義をやりました。大学生と高校生のみを紹介生で集めて実施したヤングリーダーのための集中講義。これは過去の参加者からの推薦のみで参加者を受け入れるものです。受験希望者向けで実施した3日間の集中講義と2日間集中講義おこないました。これは、ラボの在校生・修了生向けにおこなった4日間の集中講義をもとに実施しています。毎年、この集中講義を受けた人が多数入学してきますので、今年も多くの人がそこから参加してくれることでしょう。今年も引き続き、こういった活動は続けていきたいと思っております。慶應SDMの入学しなくても、そういった活動を通じてできたつながりも大切なつながりになってきています。

最後に、色々な委員会、研究会、講演、企業内の講演や教育、ワークショップなど本当に色々とお声がけをいただきました。共同研究も継続案件も含め、本当に多くを実施させていただきました。本当にありがとうございました。昨年は100回程度の講演・ワークショップをさせていただきました。そのほとんどが企業内の講演・ワークショップのため、誰もが参加できるものではありませんでしたが、多くの方にお話できたことは良かったです。お声がけいただきながら、日程があわず、断らせていただいた方も多く、大変申し訳ないと思っております。今年の引き続きそのような活動をおこなっていきたいと思います。テーマは、システムズエンジニアリング 、アーキテクチャ、システムxデザイン思考というイノベーションのためのアプローチ、宇宙システム開発、宇宙ビジネスの考え方、プロジェクト/プログラムマネジメントなど、テーマも色々といただきました。また、講演等を行いながらも、準備がいつも直前となり、多くの方にご迷惑をおかけしました。どうしても毎回、目的、参加者などがちょっとずつ違うため、最後は微調整をおこないながらの対応となってしまうため、そのようになってしまいました。今年もこのあたりはあまり改善ができないかと思いますが、ご了承ください。

今年もいろいろなことを計画し、実行に移していきますが、きっと例年通り思ってもみなかったことが途中で生まれてきて、思ってもみなかった1年になるかと思います。

最後に、研究室のコンセプトを書かせていただきます。
  • 「やれる」ことは全部やる:「やらなかった」ことを後悔しないために、やれることは全部やるあとから、「ああ、やっとけばよかった」と後悔しないためにも、「やりたいと思った」こと、「やれる」ことは全部やるということを目指します。これまでも、「“Yes” or “はい”」、「倒れるときは前のめり」といったゼミの標語がありましたが、これは要するにこういうことをさしています。
  • 入学前には思いもよらなかった自分に:これも昔から言っていますが、Mラボとしては、「入る前に考えていた自分」と「出るときに感じる自分」との差を最大化することを目指して頑張ります。これは、ゴールを設定するのではなく、変化の傾きを最大化することだけを目指し、到達点は最後に見るものということをアプローチとしています。到達可能なゴールを設定するなんて、自分の能力の限界を先に決めてしまっているようで勿体無い!
  • 常に「無知の知」を意識する:多様な人の集まる環境にいるからこそ実感できますが、自分がいかに限られた範囲のことしか理解できていないのかを常に意識することを目指します。他人のことを「間違えている」と思ったら、「もしかしたら、自分はその人のいうことを全ては理解できていないのではないか」と疑うことから始めることを指します。自分と違う人のいうことを100%理解することは不可能です。なので、自分がわかっていない可能性を常に考える。そんな思いをもっていつも多様な人と接する必要が重要ですよね。
  • 受けたものは次へ渡す:よく、ゼミの学生からお礼を言われます。もちろん、それは純粋に嬉しいです。でももっと嬉しいのは、自分が受けたものを、次の人に提供してくれることです。それがつながっていけば、一人では到底与えることができない範囲の人たちにいろいろなものを提供できるようになります。それがつながっていくことこそがエコシステムです。ぜひSDMで受けたものは、SDMの後輩、外部の人にどんどんと提供していってもらえればと思っております。

長くなりましたが、今年も上記のような思いをもって頑張っていきたいと
思っております。本年も1年間、よろしくお願いいたします。 
posted by しらぴー at 00:38| Comment(0) | SDM