2017年08月10日

反専門分野主義?

MITのメディアラボは、反専門分野主義という考え方をかかげ、全く異なる分野の人々を一緒の研究チームとして、研究を進めるという特徴を持っています。これはまさに、シュンペーターのいうイノベーションである「新結合」を目指す取り組みであり、新しいものが生まれてくる素地となっているといえるでしょう。
慶應SDMは、インターディシプリン(横串でさす)考え方を教えることを目指しており、いうなれば、MITメディアラボのコーディネーターのように新たなものを組み合わせることを自らオーガナイズする人々を育成していると言えます。しかしながら、全くことなるバックグラウンドの人が、一緒にディスカッションを深めるのは簡単ではありません。これは、分野によって、考え方のアプローチがことなったり、用語が違うため、同じことを異なる用語ではなしていたり、同じ用語が違うことを指していたりします。こういったことを解消してあげると、異なる専門分野の人々が協働することがよりやりやすくなります。
慶應SDMでは、このために「可視化」を活用します。これは、「システムxデザイン思考のシステム」でも述べた通りです。抽象度の高い概念を、抽象度が高いまま、具体的に議論をおこなうためには、可視化が大変有効に作用します。つまり、抽象度の高い概念を、四角と線で表現すれば、「この四角(ステークホルダ)とこの四角(ステークホルダ)との間にはこのような線(関係性)があることになっているけど、もっとこういった線(関係性)もあるんじゃないか」といった具体的な議論に落とし込むことができます。このときに、いわゆる手法というものを活用します。手法はある限定された範囲(視点)において、可視化することを支援してくれます。手法が大切なのではなく、多様な人々で抽象度の高い議論をするために活用できるので、活用しているということです。
慶應SDMを知る人が驚くのは、そこに集まる学生の多様性です。日本の大学をよく知る海外の先生が、「日本でもっとも多様性の高い大学院だろう」というのも本当にそのとおりだとおもいます。きっと、MITメディアラボの人でも驚くほどの多様性があるとおもわれます。SDMを修了するほとんどの学生は、「SDMにこなかったら一生会えなかったであろう人たちと仲間になれた」ということを口をそろえていいます。SDMを目指す人は、一つの分野の専門家を目指すのではなく、インターディシプリンの専門家を目指してもらえれば思っております。

posted by しらぴー at 23:44| Comment(0) | SDM