2017年08月21日

慶應SDM メソドロジーラボ主催「『SDMの基礎』公開集中講座」募集開始

9月23日〜10月1日まで、週末を2回、合計4日間で集中的に実施する公開集中ゼミの募集が始まりました。
受験希望者向けとなります。

【概要】
慶應SDM “システムデザイン・メソドロジーラボ”が4月〜5月に在学生・修了生・共同研究先に対して実施している集中ゼミを、慶應SDM受験を検討している人向けに無料で体験していただける集中講座を開催いたします。4日間(第1回目)、3日間(第2回目)の集中講座となっており、これを受けると、慶應SDMの基本的な考え方のかなりの部分を知ることができるようになっています。
【日時】
  • 9月23日(土)10時〜17時:システムシンキング:物事をシステム的に捉えて考える基本的なアプローチを学ぶ
  • 9月24日(日)10時〜17時:モデリング基礎:考えを構造化・可視化して人に伝えることを学ぶ
  • 9月30日(土)10時〜17時:システムxデザイン思考:新価値創造のためのアプローチを学ぶ
  • 10月1日(日)10時〜17時:システムズエンジニアリング:多様な専門を束ねて目的を実現するためのデザインアプローチを学ぶ
初日は懇親会を開催予定です。一緒に学んだ多様なバックグラウンドを持つ人たちとのつながりは、一生の財産になります。ぜひ懇親会にも積極的にご参加ください。
【場所】
慶應義塾大学日吉キャンパス
【参加費】
無料
【定員】
50名

申し込みは以下からお願いいたします。

受験を考えている人、受験しようかと悩んでいる人はぜひとも申し込んでください!
応募多数の場合は、抽選となります。

以下の写真は、今回の公開講座の元となっている研究室内向けの集中ゼミの様子です!
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最終日の集合写真

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2日のモデリング基礎

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3日目のシステムxデザイン思考


posted by しらぴー at 15:30| Comment(0) | その他

2017年08月10日

反専門分野主義?

MITのメディアラボは、反専門分野主義という考え方をかかげ、全く異なる分野の人々を一緒の研究チームとして、研究を進めるという特徴を持っています。これはまさに、シュンペーターのいうイノベーションである「新結合」を目指す取り組みであり、新しいものが生まれてくる素地となっているといえるでしょう。
慶應SDMは、インターディシプリン(横串でさす)考え方を教えることを目指しており、いうなれば、MITメディアラボのコーディネーターのように新たなものを組み合わせることを自らオーガナイズする人々を育成していると言えます。しかしながら、全くことなるバックグラウンドの人が、一緒にディスカッションを深めるのは簡単ではありません。これは、分野によって、考え方のアプローチがことなったり、用語が違うため、同じことを異なる用語ではなしていたり、同じ用語が違うことを指していたりします。こういったことを解消してあげると、異なる専門分野の人々が協働することがよりやりやすくなります。
慶應SDMでは、このために「可視化」を活用します。これは、「システムxデザイン思考のシステム」でも述べた通りです。抽象度の高い概念を、抽象度が高いまま、具体的に議論をおこなうためには、可視化が大変有効に作用します。つまり、抽象度の高い概念を、四角と線で表現すれば、「この四角(ステークホルダ)とこの四角(ステークホルダ)との間にはこのような線(関係性)があることになっているけど、もっとこういった線(関係性)もあるんじゃないか」といった具体的な議論に落とし込むことができます。このときに、いわゆる手法というものを活用します。手法はある限定された範囲(視点)において、可視化することを支援してくれます。手法が大切なのではなく、多様な人々で抽象度の高い議論をするために活用できるので、活用しているということです。
慶應SDMを知る人が驚くのは、そこに集まる学生の多様性です。日本の大学をよく知る海外の先生が、「日本でもっとも多様性の高い大学院だろう」というのも本当にそのとおりだとおもいます。きっと、MITメディアラボの人でも驚くほどの多様性があるとおもわれます。SDMを修了するほとんどの学生は、「SDMにこなかったら一生会えなかったであろう人たちと仲間になれた」ということを口をそろえていいます。SDMを目指す人は、一つの分野の専門家を目指すのではなく、インターディシプリンの専門家を目指してもらえれば思っております。

posted by しらぴー at 23:44| Comment(0) | SDM

2017年08月05日

「システムxデザイン思考」の”システム”

慶應SDMでは、イノベーティブに考えるためのアプローチとして「システムxデザイン思考」の教育・研究を進めております。この中で、「システムxデザイン思考における”システム”とは何か?」という質問をよく聞きます。これについて書きたいと思っております。
これは、正確には、「システム思考xデザイン思考」ではなく、「”システムxデザイン”思考」であり、システム思考とデザイン思考とが分離できないと考えております。よくある勘違いとして、「この手法はシステム思考」で、「この手法はデザイン思考」という理解かと思います。しかしながら、実際は、システム的に考えることと、デザイン的に考えることが融合しているため、分離できないので、「システムxデザイン思考」という言い方をしております。
では、システムxデザイン思考における”システム”とは何か?
これは、「ゴールを設定した時に、それを実現するシステムをデザインするアプローチであるシステムズエンジニアリング」にベースを置いていることによります。
システムズエンジニアリングでは、「目的到達へ至るのためのアプローチと用語の共通化」をしてくれています。ですので、「”イノベーティブに考える=今ないものを考える”ことを目的として設定する」と、そこに至るまでのシステム(=思考の流れ)をデザインすることができるようになります。
これにより、「思いつくのではなく、考えつく(狙ってイノベーティブに考える)ために、思考の流れをデザインする」ことができるようになります。
そして、無意識のバイアスを超えてこれを実現するためには、多様性が必要となります。多様な人が集まって議論をすると、そのバックグラウンドの違い、用語の違いなどから、議論がかみ合わなくなります。特に、新しいものを考えるときには、抽象度の高い議論をする必要があります。抽象度の高い議論を、背景・用語の違う多様な人々でおこなうのは本当に難しいです。では、どのようにするのか、このために「可視化」を活用します。抽象度の高い概念を、抽象度が高いまま、具体的に議論をおこなうためには、可視化が大変有効に作用します。つまり、抽象度の高い概念を、四角と線で表現すれば、「この四角(ステークホルダ)とこの四角(ステークホルダ)との間にはこのような線(関係性)があることになっているけど、もっとこういった線(関係性)もあるんじゃないか」といった具体的な議論に落とし込むことができます。このときに、いわゆる手法というものを活用します。手法はある限定された範囲(視点)において、可視化することを支援してくれます。手法が大切なのではなく、多様な人々で抽象度の高い議論をするために活用できるので、活用しているということです。
また、この範囲(視点)を限定して、分けて議論することもポイントになります。システムズエンジニアリングでは、「機能と物理を分離して考える」ことをよくいいます。これは、視点を分離すると、考えられる解空間を広げることができるからです。例えば、「レーザーポインタ」を「レーザーポインタ」として考えると、単一の製品でしかありませんが、「場所を指し示す機能」とそれを実現する物理としての「レーザーポインタ」として分離して考えると、「場所を指し占める機能」は、「レーザーポインタ」でなくても「指し棒」でも、「マウスのポインタ」でもいいということなります。つまり、ある機能を実現する物理の解空間を広げて考えることができます。
さらに、可視化をして議論を進めていると、どのように考えて、現在のところをにきているのかを可視化することができます。さらに、試してみてだめだったときに、少し戻って他の方向に向かっていく時にも、これまでどっちの方向で失敗してきたのかなどがわかるようになります。これを思考のトレーサビリティとよんでいます。思考のトレーサビリティをとることで、イタレーションを繰り返す中でSpiral Upしていくためのベースとすることができます。
そして最後に、対象を単に点で考えるのではなく、仕組みとして考える(アーキテクチャとして考える)ということになります。仕組みを作る・仕組みを変えることをしていかないと長く続くものにならないためです。
以上のように、システムxデザイン思考のシステムというのは、簡単ではないのですが、少しでも感じとっていただけるとうれしいです。

posted by しらぴー at 10:00| Comment(0) | デザイン思考